フォーラム

第6回大使を囲む懇談会開催

  • 駐セネガル赤松大使を囲む懇談会
  • 6月18日、国際文化会館において、赤松武駐セネガル大使を囲む懇談会が開催されました。赤松大使からは直近の政治状況の変化を含む詳細な説明があり、会場及びオンライン参加者と有意義な意見交換が行われました。概要は次のとおりです。(会場 25名、オンライン14名)

    【講演要旨】
    1.セネガルの魅力:セネガルは独立以来一度も軍事クーデターを経験していない西アフリカ随一の安定国家。軍の政治不介入が徹底しており、また穏健イスラム教が根づき原理主義的思想が浸透しにくいことがその理由。

    2.最近の政治情勢:2024年3月の大統領選挙での非エリート層出身のファイ大統領の当選は、独立以来「第二の革命」とも言うべき出来事。選挙前まで投獄されていた野党(当時)PASTEF党創設者のソンコ氏は事務局長だったファイ氏を大統領候補とし、当選後は首相に任命された。しかし2026年5月22日、ファイ大統領はソンコ首相を解任した。ソンコ首相はCFAフランからの離脱など主権主義的・急進改革的な政策志向を維持しようとした一方、ファイ大統領はやや合理的に対応しようとしていた。解任後、ソンコ氏は26日に国民議会議長に選出。PASTEF党が過半数を占める議会運営は難しくなった。解任当初は両者の対立の激化が懸念されたが、ソンコ氏は2029年の大統領選でファイ氏を打倒すると述べており、当面は制度内対立として推移する可能性がある一方、議会運営や経済改革をめぐる不透明感は残る。尚、ファイ大統領は内閣も解散したが、主要閣僚は留任、IMFと対立的だった経済大臣所掌の経済省は財務省に統合され、同大臣は閣外に去った。

    3.最近の経済情勢:セネガルの1人あたり所得は1,700ドル。2024年10月に発表された「セネガル2050」では、2050年までに経済的自立、社会的公正、環境の持続可能性、強固なガバナンスの実現を目指すととともに、全国を8つの経済拠点に分散し、各地域のポテンシャルを活かして社会・経済的な格差の是正を図るとしている。サル前大統領時代の対外債務(GDP比132%)の隠蔽が発覚したが、政府はIMFの債務再編要請を拒否、地域金融市場からの資金調達で凌いでいる。近年コロナ禍期を除けば堅調な経済成長が続いていたが、債務問題を機にIMFは2026年の成長見通しを2.2%と、2025年の7.9%から大幅に下げた。一方、石油・ガス開発はプラス要素としている。

    4.日本企業を取り巻くビジネスの課題:セネガルに進出している日系企業にはスタートアップ企業もあるが、総数は限定的。人口が1,900万人、かつ購買力の低い若年層が中心なため、市場規模が小さいことがその要因。またサヘル諸国の不安定さや国間の連結性の弱さも課題。フランス由来の行政手続の不透明さも障壁。近年主要貿易相手はフランスから中国に移りつつある。

    5.ビジネス関係強化に向けた官民連携:2025年のTICAD9において、セネガル政府と日本企業の間で11件のMOUが締結された。その中でも5社は、40年の歴史があるセネガル日本職業訓練センター(CFPT)及びJICAとの間で奨学金や日本語教育など人材育成に関するMOUを締結。またTICAD9に合わせて来日したファイ大統領も投資機会の紹介や魅力的な投資環境の約束などにより、日本からの投資を呼びかけた。

    6.ユース・オリンピックの開催:2026年10月31日から11月13日までに間、アフリカ初となるユース・オリンピックが開催され、日本からは18競技に46人が参加する。大使館としては救急車の寄贈などを通じて協力する予定。

    【質疑応答】
    講演に続いて行われた質疑応答では、地域別開発戦略の対象となる分野、ユニバーサルヘルスカバレッジの進捗状況、債務返済のための資金調達先、日本の投資促進策、欧州企業の進出状況、金を含む鉱物資源の開発状況、製造業の実態、外交政策など、多岐にわたる質問が出され、大使からは一つ一つ丁寧にご回答いただきました。

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