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第14回大使を囲む懇談会開催

  • 樋口駐マダガスカル大使を囲む懇談会
  • 第14回 樋口駐マダガスカル大使を囲む懇談会

    1月25日午後、国際文化会館会議室において、樋口義広駐マダガスカル大使を迎え、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等から出席者計13名、オンライン参加者19名)。先ず樋口大使より、世界で4番目の大きさの島である同国は、豊かな自然と潜在性を有しており、また東部・南部アフリカへの玄関口に位置し、自由で開かれたインド太平洋の観点からも戦略的に重要な国であるが、経済的には最貧国であり、保健、教育、インフラ等の社会・制度基盤はぜい弱である、南部では干ばつと食料危機が起きている,新型コロナへの対応は、同国のさまざまな脆弱性が集約的に発現されており、基礎医療体制の強化が大きな課題となっている、現状ではコロナ対策ワクチンの接種率は約3%に過ぎず、ワクチン接種の拡大がカギとなっている(現在は1週間の新規感染者数は約1,500人であり、コロナによる累計感染者は約57,000名,死者数の累計は約1,200名)、コロナ関係では、日本は医療関係機材の供与を実施、内政面では2018年11月から12月にかけて大統領選挙が実施され、2019年1月ラジョリナ元暫定大統領が大統領に就任した、政府は観光業や農業食品産業等の振興を目指しており、労働人口の約74%が農業に従事するが、GDPに占める農業の割合は23%と低く、コーヒー、バニラ、クローブが主要換金作物、持続的かつ公平な開発の実現が最大の課題、対日関係は良好であり、2017年、ラジャオナリマンピアニア大統領(当時)が、公式実務賓客として訪日した他、2019年のTICAD7にはラジョリナ大統領が出席した、2022年は外交関係60周年友好年,経済面では、貿易・投資とも基本的に低調なるも,日本、カナダ(後に撤退)、韓国が参加して始まったニッケル・コバルト鉱山投資事業である「アンバトビー・プロジェクト」が、日本企業が参画するアフリカ最大規模の鉱業投資事業として、約9,000名のマダガスカル人雇用や外貨獲得等を通じて、同国経済に貢献している,トアマシナ港拡張事業(円借款450億円)を始めとして多くのODA協力を実施している,今後の見通しとしては、2023年の次回大統領選挙の帰趨はまだ不透明な状況にあるが,貧富の格差の拡大を食い止め、トリクルダウン効果を実現して持続可能な経済社会開発を進めることが課題となろう、などの諸点について説明されました。

    次いで出席者より、アンバトビー・プロジェクトの安定的な操業と発展が望ましいが、同国政府の対応如何、次期大統領選挙への野党の準備状況はどのようなものか、1942年5月の同国北部ディエゴ・スアレス海戦の例に見られるように,同国の地政学的な重要性如何、今年開催予定のTICAD8へ向けての同国の関心度如何、今後同国に日本のビジネスが入っていくとしたら、どのような分野が適していると思われるか、在マダガスカル日本大使館の兼轄国である、コモロ連合共和国の概観如何、などの質問やコメントが出されました。

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