フォーラム

JOGMECとの懇談会開催

  • JOGMECとの懇談会開催
  • 9月25日、国際文化会館において佐藤JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)金属企画部長との懇談会が開催されました。佐藤部長からの講演要旨は次のとおりです(参加者18名)。

    1. JOGMECの支援機能強化
    (1)JOGMEC金属部門では、基本的に①探査、②ファイナンス、③備蓄を3本柱に幅広い支援事業を行ってきた。以前は「資源探査」と「鉱山開発」という「上流」の事業が中心であったが、今日では経済安全保障の観点から、「選鉱・精錬」、「リサイクル」といった「中流」対策を強化している。
    (2)レアアース、リチウムといった重要鉱物は、いずれも特定国への依存度が高く、これが日本の経済安全保障上の大きなリスクとなっている。こうしたリスクを軽減し、資源の国内への安定供給を確保するため、新たに「経済安全保障推進法」が制定された。JOGMECとしても総額2、000億円超を予算措置し、様々な事業への支援を強化できる体制を整えた。具体的には、①電動化・グリーン化に必要な鉱物を対象にプロジェクトへの出資比率の上限が引き上げられ(50%⇒75%)、②選鉱・精錬事業(単独)が新たに支援対象となった。また③探鉱、FS、開発、選鉱・精錬、技術開発などに要する事業費についても、1/2まで補助できるようになった。

    2. 国際情勢の変化とJOGMECの対応
    (1)欧米諸国でも、経済安全保障の観点から鉱物資源の特定国依存脱却の動きが加速している。加えて、同志国連携による新たなサプライチェーンを構築する動きも進展している。他方、資源国側でも、「探査」、「選鉱・精錬」を実施するためのニーズに加えて、人材やインフラを含めたODAニーズが高まっており、中東の産油国でも、石油依存から脱却し、鉱業を推進しようとする動きが強まっている。
    (2)こうした変化を受けて、JOGMECとしても、従来以上に案件発掘に主体的に関与して日本企業の参画を促し、国内外関係機関との連携を戦略的に進めている。また関係国の政策を把握しつつ、最終消費地までの最適なサプライチェーンの構築についても検討している。
    (3)最近の動きとして、欧州委員会専門部局と2023年7月、「重要原材料サプライチェーンに関する協力取決め」を締結し、原材料サプライチェーンに関するプロジェクトやリスクマネジメント、技術、リサイクル等についての情報交換等を実施している。

    3.アフリカにおける取組み
    (1)JOGMECは南ア・ヨハネスブルク事務所、ボツワナ・地質リモートセンシングセンターを設置し、SADC諸国を中心に16ヵ国と協力を進めている。具体的には衛星画像を用いた「リモートセンシング技術」に関する人材育成、共同画像解析・地質調査を実施している。
    現地では、毎年専門家によるセミナーを開催(例年100名以上が参加)しており、これまでアフリカ各国から累計で2,403名が参加した。
    (2)現在、現地民間企業との共同鉱床探査事業5件(ナミビア4件、ザンビア1件)の他、出資・債務保証事業4件(南ア3件、モザンビーク1件)、技術支援事業1件(モザンビーク)を実施中。
    (3)2023年8月、西村経産大臣(当時)とJOGMEC理事長が、ナミビア、コンゴ(民)、ザンビア、マダガスカルを訪問し、各国との関係を強化するための合意文書に署名した。
    また、2022年から2024年にかけて、コンゴ(民)、ナミビア、ザンビアから、それぞれ鉱山大臣が訪日したが、その機会にそれぞれラウンドテーブル・セミナーを実施した。

    以上の講演を受けて質疑応答が行われ、様々な視点から非常に多くの質問が寄せられ、白熱した時間が続きました。佐藤部長よりは、ひとつひとつに丁寧な回答がありました。
             

                       

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