フォーラム

第10回大使を囲む懇談会開催

  • 大塚駐ジブチ大使を囲む懇談会
  • 2022年度第10回大塚駐ジブチ大使を囲む懇談会

    8月9日午後、国際文化会館会議室において、大塚海夫駐ジブチ大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者10名、オンラインによる出席者15名)。
    先ず大塚大使より、地政学上の肝要な地点に位置する同国は、国土が狭く(四国の約1.3倍の面積)、多民族国家(ソマリ系のイッサ人、アファール人他で総人口は約98.8万人)であり、土漠が広がる国土は農業には適しておらず、主な資源も無いが、エチオピア、スーダン、ソマリア、イエメン、エリトリアなどの周辺諸国が不安定であるのに比し、国内「紛争」の最終和平が2001年に達成された後は、安定を保ってきた。同国はエチオピアからの海の出口であり、エチオピアからの輸出の港としての役割は大きい。
    1999年から元首の地位にあるゲレ大統領は現在5期目であり、1977年に仏より独立し、今年独立45周年を迎える同国を導いて来た。
    外交面では国連の場でも2020年、国連安保理非常任理事国選挙に立候補(落選したが)するなど積極的。
    地域外交面では、1986年IGAD(東アフリカの政府間開発機構)本部をジブチに誘致した他、2000年にソマリア和平会議を主催するなどしてきた。現在は仏、米、日、伊、中国などの基地を受け入れている。治安面では犯罪率が低く、夜間外出も可能である。
    経済情勢は、1人あたりGDPはアフリカ16位の3,425米ドル。国家歳入の主なものは港湾関係収入、フリーゾーン、駐留軍基地賃借料等となっている。同国の開発計画「ヴィジョン35」は、経済の多角化と競争力向上を目指すものであり、輸送物流、電気通信、観光などの面での開発・向上を目指している。
    日本から同国への開発協力としては、沿岸警備隊支援、フクザワ中学校、国道一号線改修、フェリー供与他がある、等について説明がありました。

    次いで出席者から、ジブチは本格的な火力発電所を建設する予定は存在しないのか?また、地熱及び太陽光発電を行うつもりはあるのか?ジブチが安定しているのに比し、対岸のイエメンは不安定な状況が続いているが、ジブチはイエメンに対し何らかのサポートを行う意思があるのか?ウクライナの食糧が届かないことがジブチにも起きていて、そのために社会不安が増大するということはあるのだろうか?(日本の自衛隊ジブチ派遣は、そもそも近海に出没する海賊の取り締まりのためだったが、)現在も(ソマリア人などによる)海賊行為は続いているのか?10年前からジブチ港に近接するドラレ港でのコンテナ施設拡張計画が進行中だったが、ジブチ政府は、同計画と港湾管理業務の認可状をドバイのDPワールド社に与えていたのを2018年一方的に破棄し、両者の間で係争となったが、現在の本件裁判の状況はどのようなものか?周囲に国情が不安定な国が多い中で、独立以来一貫してジブチが安定しているのは何故か?ジブチの近くのソマリランドは、国として機能しているにもかかわらず、国家として認められていないが、今後独立国家として認められる余地はあるのか?国土のほとんどが土漠であり農業開発の余地は少ないということだが、エチオピアからの食糧輸入に頼り続けるのではなく、なんとか国内の土壌改良、水資源開発などをして農業生産を始める試みはないのか?2008年にジブチ・エリトリア国境で軍の衝突事件があり、その後もエリトリアがアル・シャバーブを支援した他、ジブチ国内に兵を駐留させたとして国連安保理から警告を受けたが、2010年両国間で和平合意が成立したと承知するが、現在では両国の関係はどのようになっているか?農業生産品の輸入先がエチオピアであるそうだが、同国の一般消費財の輸入先はどこか?また自国内で工業生産を開発する意図はあまりないのか?等の質問がありました。

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