フォーラム

第6回大使を囲む懇談会開催

  • 加藤ギニア大使を囲む懇談会
  • 7月30日午後、国際文化会館において加藤隆一駐ギニア共和国大使に同国の近況に関するお話を伺う会を開催しました。(会場の出席者18名、オンラインによる参加者10名)。

    加藤大使より同国の状況について、以下の説明を行いました。

    23年1月、ECOWASとの合意を経て、民政移管までの24か月の移行期間が始まったが、それ以降の動向を中心に説明。①民政移管に向けたクロノグラムは進捗が遅れ気味。当面は24年内に新憲法制定の国民投票が行われるか注視。②軍の動向。23年11月のコナクリ中央刑務所襲撃事件、24年6月のサディバ・クリバリ前参謀総長の死去により軍内部は動揺。③前述の刑務所襲撃事件以降、「国家の安全保障上の問題」を理由に3か月間にわたりインターネット、SNSへのアクセスが制限された他、その後も主要なテレビ・ラジオ局の免許剥奪等、言論・報道の自由に対する抑制的対応が見られることを懸念。④23年12月の石油備蓄タンク爆発事故の影響は財政負担増を中心に数年間にわたる見込み。一方で電力不足も深刻で折からの高インフレも継続、社会不安を招いている。⑤他方、世界最大級の埋蔵量を誇るシマンドゥ鉄鉱山開発計画は24年4月に契約はクロージング、2025年末の採掘開始に向けて着実に進捗。中国の宝武鉄鉱集団が本格的に参画。本プロジェクトによる経済的波及効果は大きいが、同国が「資源の呪い」に陥らないような支援が必要。⑥最後に7月31日に判決を迎える9月28日大虐殺事件裁判の概要について説明しました。
    また、ギニアを含め、アフリカに多くみられる「UCG」(非憲法的政権交代)について、その定義(民主的に選出された政府に対する暴動またはクーデター他)と法的規範、アフリカにおけるクーデターの歴史の概観(クーデターを経験した国は45か国でそのうち37か国で成功している、他)、これらの国には2つの異なったベクトル(格差と分断の拡大)、すなわちシステム(継続)を求める派と、アンチ・システム(断絶)を求める派が存在し、前者は伝統的エリート層が中心であり、民主主義的価値の共有、国際協調主義などが見られる一方、後者においては、若者世代が中心であり、新植民地主義の清算、資源ナショナリズムなどが見られるという分析について説明した後、ギニアの現状について、当初は民衆の支持があったが、その後民政移管の動きの遅れ、長期化に伴い不安要素が増大している現状であり、国際社会、特にAUやECOWASの政治的関与が不可欠であると説明しました。

    次いで参加者より、「近接するマリ及びブルキナファソでクーデターが起こったとき、ECOWAS諸国は国境を閉鎖したが、ギニアはどのような動きをしたのか?」、「現政権は、年内に憲法改正について問う国民投票を行うとしたが、そのような流れが確実に今年末までに行われると考えてよいか?」、「現在の同国に対して、日本の民間として、ビジネス・チャンスがあるとしたら、どの分野と考えられるか?」(これに対して、加藤大使より、電力関係、水資源開発及び農業の分野等を挙げました)、「アフリカにおけるクーデターは旧仏植民地だった諸国に頻発しているが、仏の植民地政策に問題があったと考えるか?」、「初等教育では何語で教えているのか?」などの質問がありました。

主催イベント

  • 講演会イベント
  • 各国・地域情報バナー
  • 検索バナー
  • 外務省人事バナー
  • 在外公館一覧バナー