フォーラム

第3回大使を囲む懇談会開催

        

  • 駐マリ村田大使を囲む懇談会
  • 4月17日、国際文化会館において、村田優久夫 駐マリ大使を囲む懇談会が開催されました。概要は次のとおりです(会場19名、オンライン10名参加)。

    【講演要旨】
    1.冒頭、歴代大統領の紹介とともに、2020年8月と2021年5月に相次いだ2回の軍事的政権奪取について、詳細かつ丁寧な説明があった。
    2.政治情勢:現ゴイタ暫定政権は、真の独立を目指す「主権主義」を掲げ、「新しいマリ」を建設するため、“Mali Vision 2063” に沿った取り組みを進めている。予定されていた全ての選挙は「透明で平穏な選挙が実施できるまで」延期され、政党活動も禁止された。暫定大統領の任期は5年だが、何回でも再任可能とされた。対外関係では、国連PKO部隊の撤退完了(2023年)、アルジェ合意破棄(2024年)、ECOWASからの正式脱退(2025年)があった。仏始め、欧米との関係は悪化する一方、露、中国、トルコには接近し、軍事支援や様々の経済協力を得ている。
    3.治安情勢:2025年10月から、テロリストによる燃料輸送車の襲撃が始まり、現在に至っている。テロリストは首都バマコを封鎖することを狙っており、一時市内では深刻な燃料不足に陥ったが、、燃料は国軍のエスコートで市内に届けられている。最近のイラン情勢に伴い、ガソリン価格は急騰している。
    4.サヘル諸国同盟(AES):AES3か国は、協力と統合を進めている。AES共同軍(5000人規模)は既に活動を開始しており、AES国歌も作成された。2025年12月には第2回AES首脳会議が開催され、議長国がマリからブルキナファソに引き継がれた。2026年2月、AES第2年ロードマップ作成のための国防、治安、外交、経済の大臣会合が開催された。
    5.経済事情:主たる輸出品目は金鉱石で、南ア、UAE、豪州が主な輸出先である。 経済成長率は5%であるが、15歳以上の識字率が35%と低く、対外債務のGDP比が46.8%に上る。なお、本年国防費は前年比で大きく伸び、総予算の15%を占めている。なお、2024年に「鉱山法」が改正され、金鉱山からの権益(マリの取り分)がこれまでの20%から35%に引き上げられた。今後金鉱山からの歳入増が見込まれる。
    6.開発の課題:資源(金、リチウム)は豊富にあり、農業も潜在性は高いが、付加価値を加えた輸出ができていない。優秀な人材は存在するが、頭脳流出のため国内は人材不足。インフラの未整備も開発のボトルネック。内陸国のため輸送費がかさみ、エネルギーコストも高い。なお、電力については、最近、小規模の太陽光発電の利用を独自に始める民間企業が増えている。
    7.日マリ関係の新しい流れ:①2025年8月、大阪で「日マリ・ビジネスフォーラム」が開催され、両国から300人が出席。②シュテイン(日本発の土壌強固剤)による道路整備プロジェクトが国際機関により実施(日本の補正予算を活用)。今後はODAでなくマリの国家ないし地方自治体の予算で実施するように働きかける予定。これは若者の雇用創出にも繋がる。③サコ教授(マリ人)と浦幌スタイル(若者を重視した町政)を発案した近江氏の創設したSackomiが活動を開始。将来的には、農業分野での若者の交流(浦幌町での農業研修後、マリで実践)をできればと考えている。④学術交流として、鳥取大学乾燥地研究所、都立大学、北海道大学との学術交流の準備をしている。
    8.最後に村田大使からは、日本とマリは共通点が多いとして、明治時代の日本と現在のマリを比較し、「主権主義」による真の自立を目指すマリに、当時の日本の経験が活用できる、との自説の紹介があった。その上で、明治時代の日本で「お雇い外国人」が果たした役割を改めて分析し、「日本こそが、マリの真の自立、自律を支援できる」旨述べた。

    【質疑応答】
    講演に引き続き質疑応答が行われ、参加者から多岐に亘る質問が相次ぎました。例えば、①政府の農業分野振興策、②現地電力事情、③金鉱山への外国企業(中国、ロシア)参入の現状、④金鉱山にテロ攻撃はないのか、⑤日本及び主要ドナーのODAの現状及び今後の見通し、⑥北部と南部との和平合意の見通し、などの質問があり、村田大使からは、ひとつひとつに非常に丁寧な回答がありました。
                                   

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