フォーラム

第8回大使を囲む懇談会開催

  • 佐々山駐コートジボワール大使を囲む懇談会
  • 10月4日、国際文化会館において佐々山駐ウガンダ大使を囲む懇談会が開催されました。佐々山大使の講演要旨は次のとおりです(会場参加28名、オンライン参加12名登録)。
    (講演要旨)
    1.大統領選挙
    ムセベニ大統領は、1986年以降大統領職にあるが、2026年2月に予定される大統領選挙にも7選を目指して立候補予定である。任期制限や年齢制限は、過去の憲法改正により既に撤廃されているので、合法的に立候補できる。国内で大統領選挙に向けた動きは徐々に活発になっており、選挙が近づくにつれ今後緊張が増していく可能性はある。
    2.反LGBT法(Anti-Homosexual Act)
    反LGBT法について、欧米諸国は問題視しており、世銀は新規融資を停止した。問題とされた条文の表現については、欧米諸国のコメントを入れて、修正されている。
    3.日本企業の活動状況
    ウガンダで活動する日本企業は多くはないが、いくつか成功例を紹介すると、①ヤマハ発動機(宅配用電動バイク販売)、②CFAO(豊田通商)、③サラヤ(消毒液などの販売)、④LIXIL(現地名SATOで簡易トイレを販売)のほか、WASSHA(充電式ランタンのレンタル)、SUNDA(井戸の管理・水の販売)といったスタートアップ企業がある。また、日本人でバニラやカカオの栽培を手がけている人もいる。規模の大きな事業はないが、いずれもミクロレベルまでウガンダ経済の現状を把握し、ファイナンスについても地元の人たちのスキーム(携帯電話の電子マネーなど)を活用している。
    なお、ここ数年で在留邦人の生活環境も大きく改善しており、経産省や農水省支援を受けた日本料理屋や日本食材店がある他、仏の「カルフール」がUAE資本で開店した。
    4.他国企業の活動状況
    (1)中国の進出動向については、政府も「債務の罠」に陥らないよう、警戒し注視している。国内に10以上の工業団地があり、建設資材や日用雑貨などを生産している。HUAWEIも目立つ存在となっているが、奨学金給付など社会貢献活動(CSR)にも力を入れている。
    (2)欧米企業についても、英国が植民地時代に綿花、コーヒー、銅のいわゆる3Cに注力してきた歴史もあり、現在は食品加工、花卉栽培、魚の養殖などの分野で活動している。
    因みに、養殖されている魚は主としてナイルパーチなどの白身魚であるが、欧州の基準に合わせた厳しい品質管理が行われている。日本向けに輸出されたこともある。 
    5.新しい分野
    (1)環境関連の新しいビジネスが生まれつつあり、排出権取引ビジネスを目指している人もいる。具体的な話として、Kiiraという国営企業があり電動バスを生産しているが、日本企業の協力を求めている。
    (2)近年DRCとの国境付近で油田が発見された。2025年にパイプラインが稼働する予定。
    (質疑応答)
    講演を受けて質疑応答が行われました。①近年外貨準備高が急減しているが、石油パイプラインの予定通りの稼働に影響はないのか?②最近ケニアで若者による暴動が発生したが、これがウガンダに伝播しなかった理由如何 ③ウガンダは170万人の難民を受け入れているが、これに対する国民の受け止め如何、④ウガンダ政府は日本企業の進出をどの程度熱心に求めているのか?④DRCとの国境の現状如何、⑤ムセベニ大統領の長期政権に対する国民の受け止め如何、⑤本田圭佑のプロサッカーチーム“SOLTILO”の現地での活躍振り如何、⑥外国人材としてウガンダ人を受け入れる可能性、⑦反LGBT法に対する国民の受け止め如何など、様々な質問が寄せられ、佐々山大使からはひとつひとつ丁寧に回答がありました。
                       

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