フォーラム

第5回大使を囲む懇談会開催

  • 岩井駐エジプトを囲む懇談会
  • 12月18日、国際文化会館において岩井文男駐エジプト大使を囲む懇談会が行われました。概要は次のとおりです(会場参加 20名、オンライン参加 13名)。

    【講演の要点】
    1.内政:エルシーシ大統領は、現在3期目を務めている。憲法上2030年まで任期が続く。経済の現状は、食料品、ガソリンなど物価が急上昇しており、一般市民にとって厳しいものがある。他方で国民には「アラブの春」後の混乱期の苦しい記憶があるので、現状維持と安定を望む傾向が強い。現状、国民の多くは現大統領を支持している。本年実施された下院選挙でも、一部で再投票など混乱もあったが、最終的には親政府政党が多数を占めると見られる。
    2.経済:外貨不足の問題が顕在化していたが、湾岸諸国からの大型不動産投資により状況は緩和。中国、トルコ、インドなどの新興国からの投資も活発。マクロ経済は総じて順調に改善しているが、個人的に「エジプトの弱点」は、外的ショックに対する強靭性の不足であると思料するだと思っている。この点に関して政府は、最近の度重なる外的ショックに対して、経済構造改革や貧困層対策などで改善解決を図っている。
    3.外交:地域大国として、スーダン、リビア、ガザなどの地域紛争を仲介に介入。最近ではイラン、サウジディアラビアにまで関与。ガザに関しては、10月にシャルム平和サミットを米国と共催した他、ガザへの人道物資支援にも積極的に関与しているた。なお、ナイル川の水の確保に関し、大エチオピア・のルネッサンス・ダム(GERD)を巡り、エジプト憲法の規定との関係もあり、エチオピアとは緊張関係にある。
    4.エジプトの投資環境: (経済データを日本と比較しつつ)人口が昨年1年で170万人増加し、今後も長期間人口ボーナスは続く見通しである。また政府は、外国からの投資の受け入れに積極的であり、投資フリーゾーン庁専門機関(GAFI)を設立して、問題には真摯に対応している。現地労働者の雇用費用も周辺国と比べて安価。労働者の質も高く、手先も器用。英語の他、国内の日本語話者数は多く、エジプトを除いたアフリカ全土や中東全土と比較しても多い。他方、エジプトの大手企業は国外進出を活発化させているが、彼らには日本企業との協業への期待も高い。従って、エジプトは今が「買い」であり、進出するなら今である。(この関連で、在エジプト日系企業の主な生産拠点や事業内容についても詳細な説明があった。) 
    5.二国間経済協力:これまで日本政府は、「日本病院」、スエズ運河橋、オペラハウスなど、数多くのインフラ施設を建設してきた。本日は特に①大エジプト博物館(GEM)、②EJEP(エジプト・日本教育パートナーシップ)、③カイロ・オペラハウス(国立文化センター)の3件について紹介する。①GEMは、11月1日に全面開館したが、開館式典には彬子女王殿下ほかが出席された。②エジプト日本学校(EJS)は現在69校開校しているが、更なる拡大(500校まで)を目指している。現在、約1000校のEJS・公立学校で日本式教育が実施されているが、約75万人が受講中である。③カイロ・オペラハウスは、過去に火事で焼失した経緯があるが、再建され、日・エジプト協力の象徴的な文化施設となっている。現在、バレエ団には多くの日本人バレエ・ダンサーが、オーケストラにはトランペット奏者1名が所属している。

    【質疑応答】
    講演を受けて質疑応答が行われました。会場からは、(1)エジプト・中国関係、(2)外貨不足の実態、(3)現地医療環境、(4)現地治安情勢、(5)日本式教育が現地でこれほど高く評価される理由、日本人学校との関係、(6)新行政首都(NAC)の現状など、様々な質問が寄せられ、岩井大使からはひとつひとつに丁寧な回答がありました。

                                          

                       

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