フォーラム

第4回大使を囲む懇談会開催

  • 進藤駐ボツワナ大使を囲む懇談会
  • 6月19日、国際文化会館において進藤雄介駐ボツワナ大使を囲む懇談会が行われました。概要は次の通りです(会場参加 11名、オンライン参加 6名)。

    【講演要旨】
    1. ボツワナでは、英保護領からの独立(1966年)以来、ボツワナ民主党(BDP)政権が安定的な政権運営を行ってきた。これまでクーデター、内乱などは一度もない。2024年10月30日の総選挙で、与党BDPが野党連合「民主改革のためのアンブレラ(UDC)」(ボツワナ国民戦線、革新連合、ボツワナ人民党による連立)に大敗し、同国で初めてとなる政権交代が起こった。選挙結果を受けてUDCが政権を担うこととなり、ボコ大統領が就任したが、この政権移行も極めて平和的に行われた。ボコ新大統領は、地域機関、国連を重視しつつ、欧米諸国を含めた全方位外交を表明している。

    2. 独立の翌年(1967年)にダイヤモンド鉱脈が発見され、デビアス社との協力により、同国経済はダイヤモンドを中心に急成長を遂げた。2023年の一人当たりGNIは8,340米ドルで、既に高中所得国である。この数値は南アやタイなどよりも高く、無償援助の卒業国である。ダイヤモンドについては、コロナ禍で需要が落ちて価格が下がったが、その後の価格は回復傾向にあると見られるものの、人造ダイヤモンドの供給もあり、今後の価格の動きは不透明。ダイヤモンドに代わる新しい産業への産業構造転換が同国にとって極めて重要な課題となっている。

    3. ダイヤモンド以外の主要産業としては観光業がある。オカバンゴ湿地帯(世界遺産)など、観光資源が豊富である。また、畜産を中心とする農業に力を入れておりで、ボツワナ・ビーフなどは知名度が高い。

    4. ボツワナは内陸国であるため、外港に繋がる道路や鉄道の整備は重要である。ヴォルビス港(ナミビア)に繋がる西部回廊、マプト港(モザンビーク)やダーバン港(南ア)に繋がる東部回廊、カズングラ橋を通ってジンバブエ、ザンビアに繋がる北部回廊などは、ボツワナだけでなく周辺諸国にとっても重要である。日本政府(JICA)も、国境でのワン・ストップ・ボーダー・ポスト(OSBP)の建設や連結道路の整備など、積極的に協力している。

    5. 日本との関係では、同国がアフリカで初めて地上デジタル放送の日本方式採用を決定した国であることを挙げたい。また、ODAについては、2023年に「新型コロナ危機対応円借款」として150億円を供与した。また海外協力隊(JOCV)も累計で443名が派遣されており、現在約30名の隊員が活躍している。
    【質疑応答】
    講演を受けて質疑応答が行われました。進藤大使には質疑応答のために十分な時間を割いて頂き、参加者の関心も高く、多岐にわたる質問が途切れることなく続きました。和やかな雰囲気の中、寄せられた質問に対して進藤大使からは、ひとつひとつに丁寧な回答がありました。

                       

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