フォーラム

第8回大使を囲む懇談会開催

  • 加藤駐ギニア共和国大使を囲む懇談会
  •  2023年度第8回加藤駐ギニア共和国大使を囲む懇談会

    8月17日午後、国際文化会館会議室において加藤隆一・駐ギニア共和国大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者12名、オンラインによる出席者18名)。

    加藤大使より以下の説明を行いました。

    ギニアのセク・トゥーレ初代大統領は、仏語圏アフリカで唯一仏共同体には入らず独立、社会主義を標榜する形で、同国を導いた。その後同国は自由主義体制をとったが、アルファ・コンデ前大統領へのクーデタにより、2021年ママディ・ドゥンブヤ氏が暫定大統領に就任し、現在に至っている。この政変に対し、AUとECOWASはいずれもギニアの参加資格を停止し、ECOWASは対ギニア制裁を行っている。本年1月、民政移管期間(来年末まで)が開始された。今後の課題は野党との政治対話の実施、移行クロノグラムの着実な実施及びECOWASとAUへの参加資格回復である。

    民族としては、人口の4割を占めるプル族の他、マリンケ族、スス族等が居住しているが、民族の政治化が国民融和の上での課題、埋蔵量世界一を誇るボーイサイトはじめ豊富な鉱物資源を有する同国の、特に鉱業分野の成長率は高いが、国民の多くは農業・畜産業等の非鉱業分野に従事しており、貧困率は高く、また、鉱業分野から適切な税収入を得られていない可能性があると見られる。現在同国の債務リスクは中程度であり、中国、世銀、IMFが主な貸し手。インフラ面では、主要な国道の整備がドナー国等により進められている。エネルギー開発面では、電力普及率が46.8%であり、都市部でも停電が頻発している状況。教育・保健分野の開発は遅れている。日本は同国に新型コロナウィルス対策支援の他、これまで種々の協力を実施してきた。また昨今の西アフリカにおける反仏感情の高まりに関連して、
    ギニアに見るフランスのアフリカ政策の変遷と特長についても説明した。

    次いで法人会員など参加者より、「AUやECOWASによる対ギニア制裁がリフトされていない現状で、他国との間の人の自由な移動は可能なのか?」、「ブルキナ・ファソやマリなどの場合はジハーディストの存在が見られるが、ギニアには無いと見て良いのか?」、「ニジェール川の豊富な水を有する同国は、より農業発展を遂げてもよいと思われるところ、発展を阻害する要因は何か?」、「ニジェール、マリなど当該地域の北部の不安定化が見られるが、ギニアは今後どのように軍備を含め、かかる動向に対処していくのか?」、「民生化スケジュールにのっとって、次期政権を決定する国政選挙が近いうちに実施されるが、ドゥンブヤ暫定大統領の出馬はあると見られているのか?」、「同国のインターネット使用者数は、あまり伸びていないが、特に理由はあるのか?」などの質問が出されました。

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