フォーラム

第5回大使を囲む懇談会開催

  • 駐ガーナ義本大使を囲む懇談会
  • 6月2日、国際文化会館において、義本博司 駐ガーナ大使を囲む懇談会が開催されました。義本大使からは、力の籠ったプレゼンテーションが行われ、白熱した懇談会になりました。概要は次のとおりです(会場22名、オンライン10名 参加)。

    【講演要旨】
    1.外交関係樹立70周年
    2027年は、①日・ガーナ外交関係樹立70周年、②野口英世博士のガーナ渡航100周年、③JICA海外協力隊派遣50周年の、3つの記念年に当たる。日本大使館としては、この機会に日本文化を紹介するイベントを集中的に開催し、ガーナとの友好関係の一層の増進を目指している。ガーナ側も、この記念すべき年を共に祝いたいとの意向であり、鋭意準備を進めている。
    2.内政
    民政移管(1993年)後、大統領選挙が8回実施されたが、政権移行は常に平和的であった。ガーナは「民主主義の優等生」と評されているが、ガーナ人自身、このような評価を誇りに思っており、維持したいと考えている。しかも与野党を超えたコンセンサスになっている。マハマ大統領は、2024年の選挙で当選したが、過去に一期大統領を務めているので、今回で2期目となる。憲法上、大統領の任期は2期までであり、2028年の選挙には立候補できない。マハマ大統領自身、(憲法を改正するなどして)3期目に立候補することはないと宣言しているが、次回大統領選挙でも、権力移行が円滑に進むかどうかは、民主主義の試金石でもあるので、その観点からも注視していきたい。
    3.外交
    首都アクラは、ラゴス・アビジャン回廊とアクラ・ワガドゥグ回廊の結節点に当たる。そのような場所にあるガーナとしては、西アフリカの経済的・政治的ハブを目指している。同時に汎アフリカ主義(アフリカ大陸全体の繫栄を重視)の立場を明確にしており、ガーナ外交はアフリカ全体を意識して実施されている。
    4.外債格付けの改善
    2025年に入り、インフレが低下傾向となり、GDPも堅調(6.3%)に成長している。更に現地通貨の対ドルレートも改善するなど、マクロ経済指標は良好。その主な要因は、金価格の高止まりである。財政についても、IMFの勧告を受け、財務省がきちんと関与するようになり、財政規律も堅持されている。既にデフォルト状態からは脱却しており、格付会社による格付も改善した。IMFは、現状が続けば、本年中にも債務持続性評価(DSA)が”Moderate”に改善されるとしている。そうなれば、円借款再開や大型インフラ案件の実施も視野に入ってくる
    5.経済
    経済を概観すると、比較的安定した政治情勢や投資促進策、近年の人口増加・都市化による市場拡大が進む一方、政策変更やインフラ整備の遅れといった課題がある、と言える。この関連で、PEST分析(ビジネス環境を政治、経済、社会、技術の4つの視点から分析する手法)でガーナについて分析した結果が紹介された。
    6.金及び貴金属
     金は主要輸出品であるが、中央銀行が国内で生産された金の一定割合を買い取ることとした他、GOLDBODという公的機関を創設し、金及び貴金属の取引・評価・輸出を統括する体制にした。この結果、金保有量、外貨準備高ともに大幅に増加した。最近の中東情勢により、石油製品価格は高騰しているが、高騰している金価格と相殺しあい、国内経済への影響は比較的小さい。
    7.マハマ大統領の新イニシアティブ
    マハマ政権は、①24時間経済、②アクラ・リセット、③大西洋奴隷貿易の賠償、④サヘル地域との橋渡し、の4つのイニシアティブを表明している。①は、生産性向上と輸出能力強化による経済構造変革を目指すものであり、②は、援助依存から脱却し、主権の確立を目指すものである。また③については、奴隷貿易を「人道に対する最も重い罪」とする決議案として結実し、本年3月、国連総会にて賛成多数で採択された(日本は棄権)。④については、マハマ大統領は、ECOWASを脱退したAES3か国との関係修復も視野に、これら3国を就任後の初外遊先に選んだ。
    8.日本文化紹介事業
    (1)ガーナの「よさこい祭り」は、2025年で22回を数え、日本文化紹介とともに高校生による「よさこい踊り」が披露された。この他、「アニメ・マンガによる文化交流」や「日本とガーナの大学との連携交流」、「義本大使によるガーナ大学レゴン国際関係・外交センターにおける講演」などについても紹介があった。
    (2)日本語教育については、①アニメなどを入口にした日本語・日本文化の学習者と、②日本での技術習得のために必要な日本語能力の習得者の2つに分けて対応している。①についてはガーナ大学に「日本センター」が設置予定であること、②については職業訓練学校に日本語学校を併設していることなどの紹介があった。

    【質疑応答】
    講演に引き続き質疑応答が行われました。参加者からは、(1)ガーナ向け輸出品に対する関税、付加価値税の扱いに関するもの、(2)ガーナ大学「日本センター」の詳細内容に関するものなどの他、(3)ガーナでは、予測不能で突然の政策変更により苦労している日本企業は多い、日本政府(大使館)から先方政府に対し善処方申し入れてほしい、また日本政府には「租税条約」や「投資協定」の締結についても検討してほしい、との要望がありました。義本大使よりは、ひとつひとつに対して丁寧な回答がありました。

主催イベント

  • 講演会イベント
  • 各国・地域情報バナー
  • 検索バナー
  • 在外公館一覧バナー