フォーラム

第4回大使を囲む懇談会開催

        

  • 駐ナイジェリア鈴木大使を囲む懇談会
  • 5月22日、国際文化会館において、鈴木秀雄 駐ナイジェリア大使を囲む懇談会が開催されました。概要は次のとおりです(会場18名、オンライン16名参加)。

    【講演要旨】
    1.基礎情報:経済規模は西アフリカ最大。人口は現在2億3000万人であるが、地域大国として、地域の平和と安定に積極的に貢献。近年、安保理常任理事国入りを標榜・明言している。人口増加が顕著で、毎年700万人のこどもが生まれており、年齢中央値は18.1歳。人口は、2050年に4億人、2100年には6億人に達すると推計されている。

    2.内政:民政移管(1999年)以降、7回の大統領選挙を含め、政治的安定は維持されており、「アフリカにおける民主主義模範国」とされる。ティヌブ大統領の政権運営も、上下両院で圧倒的多数の与党勢力に支えられ、安定している。就任後に実施された経済改革(燃料補助金撤廃、二重為替廃止、税制改革など)が功を奏し、マクロ経済指標は回復基調にある。インフレ率は、33%(2024年)をピークに低下傾向にあるが、依然16%(2026年)と高い水準にある。MFからは、10%以下に抑えるよう勧告が出ており、政権にとっても克服すべき課題。

    3.次回大統領選挙:次の大統領選挙が2027年1月に予定されているが、今のところ与党APCが圧倒的に優勢で、かつ野党勢力が分裂しているので、このままの状況が続けば、現職のティヌブ大統領再選の可能性が高い。

    4.治安問題:治安問題は国民生活に甚大な影響を与えており、内政上の最重要課題。政権のアキレス腱と言っても良い。最近、米国の軍事協力により、200名の米軍部隊が派遣され、北部地域のIS武装勢力に対する空爆が行われた。また、英国からも軍事協力を得て、テロ対策に全力で取り組んでいる。

    5.対外関係:米国は、従来のUSAIDを通じた援助から、国益に直結する戦略的投資にシフトしている。重要鉱物のサプライチェーン構築やエネルギー分野などに、米国輸銀を通じた融資が行われている。BRICSについては、昨年パートナー国となり、伝統的に友好関係にあるブラジル、インドとの関係強化に取り組んでいる。

    6.対中関係:中国は最大の輸入相手国であり、一帯一路関連の建設契約総額では世界最大。中国の融資・技術で、ラゴス空港新ターミナルやレッキ深海港などの大規模インフラプロジェクトが完成した。

    7.ナイジェリアのポジティブな面として大陸有数のGDP規模(40兆円)や人口ボーナスが挙げられる。原油については、アフリカ最大(世界14位)の産油国であり、現在150万B/Dを生産。精製国内化のために設立されたダンゴテ製油所も、現在65万B/Dでフル稼働しているが、これを140万B/Dにまで拡大する計画がある。また、天然ガスについても、アフリカ最大(世界9位規模)の確認埋蔵量を有し、アフリカ有数の産出国である。この他の天然資源も豊富にあり、重要鉱物としては、リチウム、すず、タンタルなどが、中国企業の技術で採掘されている。

    8.反面、不安材料としては、(1)国内燃料価格が国際原油価格や戦争の影響を受けやすく、ダンゴテ製油所の稼働後も国内燃料供給・価格が不安定であること、(2)インフレ率が依然高い水準にあり、企業経営や家計を圧迫していること、③2024年、個人所得が800米ドルまで急落し、そのため貧困率も63%に急上昇したが、回復が遅々として進まないこと、などが挙げられる。

    9.最後に、持続的成長を実現していくための「処方箋」として、鈴木大使のアイディアの披露があった。即ち、①短期的課題として、農生産性向上とインフラ整備を直ちに行う、②中期的課題として、産業多様化・工業化など産業基盤の形成に取り組む、③長期的課題として、教育・人材育成に取り組む、とのことである。

    【質疑応答】
    講演に引き続き質疑応答が行われ、参加者からは多岐に亘る質問がありました。例えば、①日本企業の進出が期待される分野は何か、②諸外国の投資の狙い目はどのような分野か、③エンタメ産業への期待はどの程度か、④ECOWAS主要国ナイジェリアとサヘル同盟(AES)との関係、⑤ダンゴテ製油所の将来像、 といった質問があり、鈴木大使からは、ひとつひとつに丁寧な回答がありました。
                                               

                                   

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