フォーラム

第6回大使を囲む懇談会開催

  • 山中前駐ジンバブエ大使を囲む懇談会
  • 1月20日、国際文化会館において、山中晋一・前駐ジンバブエ大使を囲む懇談会が開催されました。概要は次のとおりです(会場参加 15名、オンライン参加11名)。

    【講演要旨】
    1.ムナングワ大統領は現在2期目(任期は2028年まで)であるが、内政は安定している。憲法上は3選禁止となっているが、任期を2030年まで延長しようとする動きがあり、今後の動向は注視すべし。昨年、同大統領は万博ナショナルデーとTICAD9出席のため2度訪日したが、ジンバブエ側の日本に対する期待は高い。因みに、コベントリーIOC会長はジンバブエ出身で、元競泳女子のオリンピック金メダリストである。
    2.インターネットで当国を検索すると、とかくネガティブな情報ばかりが目に入るが、経済は2009年以降プラス成長が続いており、昨年の経済成長率は6.6%であった。インフレは年17%程度であるが、最近の金融引締め政策の効果で、次第に収まりつつある。経済面の問題としては、①230億ドルの公的債務(うち対外債務は170億ドル)と②インフォーマルセクターの割合が高い(50%とも言われる)ことが挙げられる。債務問題については、2022年末に主要ドナー等との対外延滞債務の解消に向けた対話が開始された。 また首都ハラレでは、現地経済が経済指標以上に好調に見えるが、これはインフォーマルセクターのなせる技であり、一部富裕層がマネーロンダリングにより豊富な資金を得ている等々言われている。
    3.日系企業は、現在2社(日本人駐在員ゼロ)のみであるが、特筆すべきは、三重県にある「万古焼土鍋」の製造会社が、土鍋の原料としてジンバブエ産のペタライトを60年以上使い続けていることである。最近、中国がペタライト鉱山を買収したため一時輸入が滞ったが、日本大使館による支援もあり、輸入が再開された。  また、日本向けに胡麻の輸出が開始され、コーヒーも20年ぶりに輸出が再開された。この他、AI開発等に取り組む企業(ペガラジャパン合同会社)が、ジンバブエのIT人材に目をつけ、日本での研修事業を始めたことも併せ紹介しておきたい。
    4.中国は最重要の相手国である。大統領始め政府要人は、毎年中国詣を続けているが、中国の当地でのプレゼンスも大きい。中国は、かつては大規模インフラ支援を行っていたが、債務問題が深刻になるにつれ、最近では小規模の支援や人材育成が中心となっている。また中国人による民間ビジネスも拡大しており、金やリチウムなど鉱物資源関連ビジネスが活発化している。
    5.ロシアも、中国と同様重要な相手国で、大統領始め政府要人は毎年ロシア詣を続けている。ロシアとは軍事面での協力が中心であるが、宇宙分野でも2機目の人工衛星の打ち上げがロシアの協力で行われた。なお、初の人工衛星は2022年にJAXAの協力を得て打ち上げられた。なお、ロシアは毎年150名のジンバブエ人留学生を受け入れている。
    6.欧米との関係については、2000年以降、白人農家からの土地収用等を理由とする経済制裁措置が実施され、一部は緩和されたものの現在も継続している。当国政府は欧米との関係改善を目指しており、最近、土地を収用された94人の白人農場主に対して、一部補償金が支払われた。また、欧米が問題視していた死刑制度も廃止された。なお、欧米諸国はNGOなどを通じた支援は行っている。

    【質疑応答】
    講演を受けて、会場からは多くの質問が寄せられました。その内容は、(1)対外延滞債務解消の見通し、(2)収用された土地は有効活用されているのか、(3)複数通貨制度の2030年以降の見通し、(4)日本政府の対ジンバブエ援助方針、(5)過去の水案件へのリハビリ無償の可能性、など多岐に亘りましたが、山中大使からは、ひとつひとつに対して丁寧な回答がありました。
                                          

                       

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