フォーラム

第5回大使を囲む懇談会開催

  • 鈴木アンゴラ大使を囲む懇談会
  • 7月19日、国際文化会館にて鈴木駐アンゴラ大使を囲む懇談会が開催されました。
    鈴木大使による講演要旨は次のとおりです(会場参加14名、オンライン参加14名)。

    (内政・外交)
    1.2022年の総選挙では与党MLPAが51%の得票率で勝利した。再任されたロウレンソ大統領の下、内政は安定しているが、目下最大の課題は汚職撲滅である。
    2.大統領の首脳外交は活発である。2023年、米国を訪問し、バイデン大統領と二国間会談を行ったほか、ザンビア、フランス、ポルトガル、ブラジルなど多くの国の首脳がアンゴラを訪問している。マルチ外交の場でも、地域的枠組みの中で積極的にイニシアティブを発揮している。なお、来年(2025年)はAU議長国に就任予定なので、ロウレンソ大統領は来年横浜で開催されるTICAD 9にAU議長としても出席予定である。
    3.2023年3月、ロウレンソ大統領は公式実務賓客として訪日し、10年越しの交渉を終えた「日アンゴラ投資協定」の締結について岸田総理との間で合意。同年8月には署名が行われ、2024年7月21日に発効予定。

    (経済) 
    4.経済の潜在力は高い。特に石油についてはアフリカ第二位の生産量(日産110万バレル)を誇るが、石油に過度に依存する経済構造(GDPの3割、税収の6割、輸出の9割)からの脱却を目指し、経済の多角化に取り組んでいる。なお、本年のGDP成長率は+4.5%とのことである。
    5.債務問題はアンゴラ経済の足枷になっている。公的債務は、やや減って84.9%となったが、その4割を対中債務が占めている。この対中債務については、これまで石油の現物弁済(注:アンゴラ・モデルと呼ばれる)が認められていたが、2017年から中国がこれを認めなくなったので、アンゴラにとっては厳しい状況となっている。
    6.ロビト回廊については、2022年7月、鉄道・物流サービス部門を欧州コンソーシアムが落札し、2023年5月、米国はG7の機会に2.5億ドルの融資を表明。その後2023年9月、G20の機会に米国とEUが、ロビト回廊拡張支援に関する共同声明を発表。2024年に入り英国、伊も投資を表明したが、ロビト回廊が地理的に遠いためか日本の名前はない。

    (経済協力)
    7.対アンゴラ経済協力は、無償、技術協力、草の根無償が中心であるが、円借による「南部送電系統増強事業」については現在案件形成中。また日系企業9社が現地で事業展開中。
    8.中国は、新国際空港、首都近郊住宅、カクロ・カバッサ水力発電所、ロビト製油所などのインフラ整備を手がけている。

    これを受けて質疑応答が行われ、①現地の電力事情、余剰電力の現状、②ロビト回廊については、米国・EUは今後も関与を更に強めるのか、③ロビト回廊に日本が参入するのは困難との印象を得たが、ならば日本が参入可能な分野は何か、④地雷の完全除去の見通し、ほか様々な質問があり、鈴木大使より、ひとつひとつに丁寧に回答がありました。

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