皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 「世界的なテロの指標2022」
- 【月刊アフリカニュースNo.116掲載】
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“GLOBAL TERRORISM INDEX 2022、MEASURING THE IMPACT OF TERRORISM”
Institute for Economics & Peace、96ページ
https://www.visionofhumanity.org/wp-content/uploads/2022/03/GTI-2022-web.pdf
サブサハラ・アフリカグローバル・テロリズム・インデックスは、2007年から2021
年のデータをカバーしている。
・2021年にはテロによる死亡者数は1.2%減少し、7,142であり、最大数の2015年
の3分の1である。85ケ国で減少し、19ケ国で増加している。
しかし、世界的にはテロ攻撃は17%増加し、5,225件である。ロシアとユーラシア
において、大きな改善が観られる。
・2021年に一人以上の死亡者を出したテロは44ケ国であるが2020年には43ケ国
あった。同年に105ケ国はテロを経験していない。これは2007年以来最大の数字
である。
・サブサハラ地域、特にサヘール地域では、多くの国で状況の悪化が視られた。
世界的なテロによる死者数の48%がこの地域で起きた。サヘール地域のブルキ
ナファソ、マリ、ニジェール、これにコンゴ(民)が加えられる。
・ナイジェリアにおけるボコハラムへの攻勢が、成功し2020年と2021年の間に
死者数は629から178に減少した。
- 「2021年民主主義指標:中国の挑戦」
- 【月刊アフリカニュースNo.116掲載】
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“Democracy Index 2021: The China Challenge”
The Economist Intelligence Unit、4月
Democracy Index 2021 – Economist Intelligence Unit (eiu.com)
* The Economist Intelligence Unit (EIU)は2006年から世界167カ国の民主主義
指標を発表している。1)選挙プロセスと多元性、2)機能する政府、3)政治
参加、4)政治文化、5)国民の自由の5つのカテゴリーの点数付けを行い、
各国の政治体制をア)完全民主主義、イ)不完全民主主義、ウ)ハイブリッド
体制、4)権威主義体制に分類している。たとえば2021年版では日本やイギリス
は完全民主主義であるが、フランスやアメリカは「不完全民主主義」である。
(この4か国の中では日本の点数が最も良い。)
* 世界全体の傾向として2020年以降、民主主義は衰退の傾向にある。2021年に民主
的な体制の下にある人口は45.7%に過ぎず、前年の49.4%から減少した。その一
因はCOVID19による国家権力の伸長と個人の自由の制限である。2021年にはワク
チン接種や治療などの対応がとられるようになったにも関わらず、ロックダウン
の強化やワクチン接種・接種証明提出の義務づけなど、国家による強制が更に強
化された。
* 西側の民主主義に対する中国の挑戦は、その経済力に由来する。中国の経済は紛
れもなく資本主義だが、国家と共産党が主導しているのが特徴である。経済発展
に伴い民主化が進むという西側の期待に反し、中国の民主主義指標は148位であ
る。中国の政治の特徴は、機能的な政府がある一方、アカウンタビリティ、牽制
と均衡、透明性などの民主的ガバナンスが欠如していることだ。専門家もしくは
強い指導者による統治という非民主主義的体制への指向が世界的に強まる中、西
側がすべきことは自身の民主主義を再生させることだ。
* アフリカでは、チュニジアで民主主義の後退が見られる一方、ザンビアは進展し
た。
1999年のナイジェリアの民政移管後、「クーデター文化」は消滅しつつあった
が、同国が治安上の様々な問題に直面し、地域の不安定要因となる中で、西アフ
リカでクーデター頻発している。尚、アフリカ54カ国中、49か国に関する民主主
義指標は下表のとおり。完全民主主義はモーリシャスのみ。
(分類)完全民主主義/(国数) 1 /(世界全体) 21
(分類)不完全民主主義 /(国数) 6 /(世界全体) 53
(分類)ハイブリッド体制/(国数) 16 /(世界全体) 34
(分類)権威主義体制/(国数) 23 /(世界全体) 59
- 「世界経済の複雑な関連性を示す図表」
- 【月刊アフリカニュースNo.116掲載】
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“THE ATLAS OF ECONOMIC COMPLEXITY”
https://atlas.cid.harvard.edu/
世界の各国の現状と成長の機会を理解するために、ハーバード大学が用意した図表
であり、少々複雑なプレゼンテーションになっていますが、ご参考になると思います。
国についての資料を用意する時など、便利だと思います。
先ず、一つの国を決めて、この地図でどこまでの情報が取得可能か、試してみて
下さい。海外の島などの領土についても、別に情報が提供されています。
- 「産業革命前の世界の温度が1.50C上がる影響」
- 【月刊アフリカニュースNo.115掲載】
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“Global Warming of 1.5 ºC” By IPCC,
https://www.ipcc.ch/sr15/
IPCCの特別報告書であり、気候変動の脅威に対する世界的な対応の強化、持続可能な開発、貧困撲滅の取り組みの文脈において、産業革命前の水準を1.50C上回る地球温暖化の影響および関連する世界的な温室効果ガス排出経路について論じている。
(全ての関連資料はこのリンクからダウンロードすることが出来ます。)
- 「IMF2022年4月世界経済見通し:戦争は世界の回復を後退させる」
- 【月刊アフリカニュースNo.115掲載】
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“World Economic Outlook, April 2022: War Sets Back The Global Recovery”
International Monetary Fund、4月
World Economic Outlook, April 2022: War Sets Back The Global Recovery (imf.org)
*ロシアのウクライナ侵攻は、COVID19から回復基調にあった世界経済に多大な影響を与えている。戦争の激化、制裁の拡大、中国のゼロコロナ政策による景気の減退、新種株によるCOVID19の再流行などの不安定要因により、世界経済は下降リスクに直面している。
*戦争により、世界経済は地政学に基づく地域ブロックという細分化に向かうリスクもある。
*経済成長見通しは下方修正を迫られた(下表参照)
*2022年のインフレ率は先進国で5.7%、新興国・途上国で8.7%と予想される。ウクライナ戦争による影響を大きく受ける国の中央銀行は、インフレ抑制と成長促進との間の難しいバランスを迫られる。
*COVID19により多くの国で既に債務が拡大しているが、財政引き締めの中でも、必要な支出は続けなければならない。
*このような状況の中でも政策決定者は長期ビジョンを失うことなく、ディジタル化や化石燃料依存脱却などに取り組むべきだ。
*またウクライナ難民への支援や復興支援などに国際協力が必要だ。
主要国・地域の経済成長実績と見通し
(以上は本文からのコピー、図表は下記より参照して下さい。)
- 「IMF2022年4月サブサハラ・アフリカ地域経済見通し:新しいショックと限られた対応策」
- 【月刊アフリカニュースNo.115掲載】
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“Regional Economic Outlook for Sub-Saran Africa, April 2022: A New Shock and Little Room to Maneuver”、 International Monetary Fund、4月
Regional Economic Outlook for Sub-Saharan Africa, April 2022 (imf.org)
*サブサハラ・アフリカの2021年後半の経済は予想以上に成長し、年当初の見通し3.7%に対し、実績は4.5%となった。しかし2022年には3.8%へと減速が予想される。それ以降の成長は4%超と予想されるが、COVID19からの回復には十分ではない。
*サブサハラ・アフリカとロシア、ウクライナとの経済的結びつきは強くなく、2か国との貿易は地域全体の貿易量の2.5%弱に過ぎないが、ウクライナ戦争は深刻な影響をもたらす。原油価格上昇は、原油純輸出国である8か国にプラスに働き、銅、金、ダイヤモンド、プラチナ等の輸出国も潤うこととなるだろう。しかし37の原油輸入国は深刻な打撃を受ける。また食料価格の上昇は社会的な緊張を高めるリスクがある。
*世界的な金融引き締めは為替レートに影響し、中国、欧州の景気減速も悪影響を及ぼす。
*2022年のインフレ率は12.2%、2023年は9.6%と予想される。
*公的債務は既に今世紀最大となっている。財政引き締めの中で、国営企業への補助やエネルギー補助金などの無駄な支出を削減すべきだ。
*これらの危機を乗り越えるためには、経済の多角化や、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を活用する民間セクターの活性化、ディジタル化、グリーン・エネルギーへの転換などの政策が必要だ。