皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 「2023年版世界ジェンダーギャップ報告書」
- 【月刊アフリカニュースNo.129掲載】
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“Global Gender Gap Report 2023”
World Economic Forum、2023 年 6 月
Global Gender Gap Report 2023 | 世界経済フォーラム (weforum.org)
世界経済フォーラムが2006年から発表している報告で、①経済参加と機会、②教育の
達成、③健康と生存、④政治的エンパワーメントの4つの側面での男女格差を示すもの。2006年以来継続的にデータを収集している国は102か国で、現在は146か国をカバーしている。2023年版報告書の主な論点は以下のとおり。
● 世界の男女格差はパンデミック前のレベルに回復したが、完全な平等を達成するには131年かかる。2020年時点には100年かかると予測したが、そのレベルに達するだけも大いに加速する必要がある。
● 中でも経済格差を埋めるのには162年、政治格差を埋めるには169年かかる。一方教育格差は16年で埋められる。健康格差については予測できない。
● 男女平等達成には労働市場が大きな壁だ。女性の労働市場への参加は64%で、2006年以来2番目に低い。また上級幹部、とりわけC-Suite(CEO、CFOなど)の女性が少ない。科学技術・工学・数学分野に進む女性も少なく、特にAI分野への参加が遅れている。
● 2022年12月現在、女性が国家元首という人口は世界の27.9%に過ぎない。女性の経済活動への参加と、ビジネス及び政府双方での指導的地位の獲得が、家庭や社会での格差をなくすためのテコとなる。
● サブサハラ・アフリカの格差は68.2%(100%が完全な平等)で、世界で6番目。(南アジア、中東・北アフリカよりも高い)。ナミビアが初めてトップ10入りしたが、ルワンダは6位から12位に後退した。この2か国に加え南アのスコアが高い一方、コンゴ(民)、マリ、チャドのスコアが最も低い。
● 日本のスコアは以下のとおり
日本のスコア(NO.129)お役立ち情報
- 「2023年世界経済見通し:長引く脅威の中での低成長」
- 【月刊アフリカニュースNo.129掲載】
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“Global economic outlook 2023 – Low growth amid persistent threats”
Economist Intelligence Unit、2023年7月
2023 Global economic outlook | Economist Intelligence Unit (eiu.com)
世界の経済・政治情勢について分析を行う民間企業EIUによる経済見通し。概要は以下のとおり。
● ウクライナ戦争と世界的インフレにもかかわらず、2023年の世界経済は強靭性を示した。暖冬の影響もあって欧州は景気後退に陥らず、米国の消費も予想以上に増えた。中国がゼロ・コロナ政策から脱したことも世界経済を助けた。とは言え、平均成長率は2.1%と低調だ。
● 商品価格は2022年のピーク時よりも下がるが、2021年のレベルには至らないと予測される。中国のゼロ・コロナ政策の停止は原油価格への圧力となり、2025年まで1バレル75ドル以上という価格が続くと予想される。
● 世界の需要が緩和され、商品価格も下がることで、インフレ率は2022年の9.2%から2023年には7.1%に下がると予測される。
● 一方、①ウクライナ戦争の激化、②インフレに対する社会不安、③台湾を巡る緊張の高まり、④米国の地銀やクレディ・スイスに続く金融不安の連鎖、⑤極端な気候によるインフレの亢進、のどれかが現実となれば、今年または来年に世界的な景気後退に陥るリスクが高まる。
- 「2023 年アフリカ選挙:今後の予定」
- 【月刊アフリカニュースNo.128掲載】
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“Africa Elections 2023: All upcoming votes”
African Arguments、6 月 4 日
Africa Elections 2023: All the upcoming votes | African Arguments
6 月 4 日 ギニアビサウ(下院、上院)
6 月 24 日 シエラレオネ(大統領、国会、地方議会)
7 月 16 日 中央アフリカ(地方議会)
8 月 23 日 ジンバブエ(大統領、下院、上院、地方議会)
9 月 2 日 コートジボワール(地方議会、州議会)
10 月 10 日 リベリア(大統領、国会)
10 月 11 日 モザンビーク(地方議会)
10 月 29 日 マリ(下院、上院)
12 月 20 日 コンゴ(民)(大統領、国会、地方議会)
(以上、日付が確定しているもの)
- 「2023 年世界開発報告:移民、難民、そして社会」
- 【月刊アフリカニュースNo.128掲載】
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“World Development Report 2023: Migrants, Refugees, and Societies”
World Bank、2023 年 5 月
World Development Report 2023: Migrants, Refugees, and Societies (worldbank.org)
世界銀行の 2023 年版開発報告書。テーマは移民と難民。人類はその歴史が始まって
以来移動を繰り返してきたとし、移民や難民が開発に最大の利益をもたらす方策を提示
している。尚、移民とは移動先の国で市民権を獲得していない人々と定義されている。
分析の方法として、移民や難民が保有しているスキルと移動先の労働市場との「マッチ」
及び移民や難民となる「動機」を用いている。主な論点は以下のとおり。
● 現在、世界の 1.84 億人が自身の国籍がある国とは別の国で居住しており、その 20%
が難民。移民・難民の総数の 40%が高所得国に、43%が中低所得国に、17%が湾岸
諸国に居住している。多くの国は移民の送出国であり受入れ国でもある。
● 人口動態の変化が移民の受入れ及び送り出しのニーズを生んでいる。気候変動もま
た移民の動機となる。
● 移民のスキルが受入れ国の労働市場にマッチしている場合には、母国にいる時より
も多くの収入を得ることができる。送出国にとっても送金などのメリットがある。
但し頭脳流出の問題はある。受入れ国にとっても高生産性や低賃金労働などのメリ
ットがあるが、一方で、社会サービスなどのコストも生じる。
● 難民に対しては保護が必要であり、そのコストを国際的にシェアする必要がある。
● 能力が受入れ国の労働市場にマッチしない移民の多くは不法移民であり、受入れ国
にとってはコストとなるが、移民の尊厳を守る必要もある。送出国側でも、移民と
なる動機を減じる方策が必要となる。
● 国境を超える人の移動から最大限の利益を得るためには、送出国、受入れ国、通過
国それぞれが戦略的な政策を持つ必要がある。また二国間、多国間の国際協力も必
要だ。有効な政策立案にはデータ、金融制度及び弱い人々の声を聞く姿勢が求めら
れる。
- 「人類と地球のための突破口:今日と未来のための効果的で包摂的なグローバル・ガバナンス」
- 【月刊アフリカニュースNo.127掲載】
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“A Breakthrough for People and Planet: Effective and Inclusive Global Governance for Today and Tomorrow”
High Level Advisory Board on Effective Multilateralism、United Nations University、2023年4月
A Breakthrough for People and Planet (highleveladvisoryboard.org)
2020年の国連75周年にあたり、グローバル・ガバナンスの強化の必要性が認識され、2021年、事務総長が「我らの共通の課題(Our Common Agenda)」を発表した。本レポートは事務総長に委託されたハイレベル諮問委員会が、事務総長報告を具体的な行動に移すための勧告をまとめたもので、2024年の「未来のサミット(Summit of Future)」を視野に入れている。サーリーフ・リベリア元大統領とロベーン・スウェーデン元首相が共同議長を務め、以下6つの転換を提言している。
1)多国間主義に対する信頼をとり戻す
人間中心のアプローチ、ジェンダー平等、将来世代の声の反映、など。
2)自然とのバランスをとり戻し、再生可能エネルギーを供給し、人類と地球に尽くす
気候変動、生物多様性、公害という3重の危機に対する野心的で測定可能な対策、など。
3)全員に裨益する持続的な金融を可能にする
国際金融機関の柔軟性の強化、グローバルな金融セーフティネットの改善、世銀・IMFのマネジメントの改善、など。
4)公正なディジタル転換を支援する
公正で持続的なディジタル転換のためのグローバル委員会の設置、平和や安全に対する脅威へのディジタルな害の追加、など。
5)平等で効果的な集団的安全保障の枠組みを強化する
安全保障上のリスクの再定義、国連安保理改革、国連と地域安全保障組織との連携強化、など。
6)現在及び将来の国境を超えるリスクに対するガバナンスを強化する
気候変動由来のリスクへの認識の強化、パンデミックの脅威に対するグローバルな協議会の設置、など。
- 「2023年世界人口白書:8億人の命、無限の可能性 - 権利と選択の事案」
- 【月刊アフリカニュースNo.127掲載】
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“State of World Population 2023: 8 Billion Lives, Infinite Possibilities – the case for rights and choices”
国連人口基金、2023年4月
昨年、国連は世界の人口が80億人を突破した一方、全人口の2/3が「再生産レベル」である合計特殊出生率2.1以下の状態にあると発表した。本白書は、一般国民、政策決定者、学者等が世界人口の現状をどのように見ているかについての調査に基づき、作成された。主な論点は以下のとおり。
*人口規模をどう見るかという点に関し、世界は「多過ぎる:このままでは地球が耐えられない」という見方と、「少な過ぎる:このままでは文明が崩壊する」という見方に二分されている。実際、人口増加の傾向がここまで分かれたことは歴史上初めてだ。(例:欧州の年齢中間値が42.5歳であるのに対し、サブサハラ・アフリカは18.7歳)
*いずれの場合も2.1という数字が赤信号であり、人口は政策的に増加させたり減少させたりできると考えられている。しかし現実には「完璧な人口規模」というものは存在せず、特定の人口規模を達成するための、信頼に足りる方法もない。
*性と生殖に関する決定は、個人が行うものだ。しかし2023年に自身の性と生殖を主体的に選択できた女性は56%しかいない。まず必要なことは、子どもを持つかどうか、持つ場合は何人を、いつ産むかといった個人の目標と、それを阻む障壁についての情報を得ることだ。
*少女と女性に対する教育も重要だ。高出生率の国ではその低下に役立つことが知られているが、低出生率の国では、女性を労働力として活用することが可能になる。また男女平等を達成することも重要だ。
*必要なことは「人口動態に対する強靭性」を持つことだ。生殖に関する権利を制限しても実効性はなく、社会を傷つける。しかし権利を支援すれば全ての人々の潜在力を解き放ち、変化する現実に適応することができる。