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  • 2026年度版 2025年版汚職認識度指数
      • 【月刊アフリカニュースNo.162掲載】

    オックスフォード大学のWellbeing 研究センターが、ギャロップ社及び国連持続的開発ソリューションネットワークとともに、毎年3月20日の国際幸福の日に発表している報告書。2026年ではソーシャルメディアをテーマとして取り上げている。主な論点は以下のとおり。

    ■幸福度は、人生に関する主観的評価(1~10点、10点が最高値)、肯定的な感情(笑い、楽しみ、興味深いことの学び)、否定的な感情(心配、悲しみ、怒り)で測る。うち、人生の評価を国際比較に用いている。2026年版報告の対象は147か国。
    ■従来同様、北欧諸国の幸福度が最も高い。2006‐2010年時点で対象だった136か国については、2023‐2025年には79か国の幸福度が増し、41か国で減じた。上昇した国が最も多かったのは中・東欧地域。逆に西側工業国中15か国で幸福度が減じた。
    ■25歳未満の世代を地域別に見ると、世界人口の90%を占める8地域での幸福度が増したのに対し、西欧及び英語圏(米、カナダ、豪、ニュージーランド)では幸福度が減じた。
    ■国際学生評価計画(PISA)が2020年に47か国の15歳グループに対して行った調査では、インターネットの使用頻度が低いほど幸福度が高い。特に女子においてその傾向が強い。インターネットのうちコミュニケーション、ニュース、学び、コンテンツ制作に関するものは幸福度を増すが、ソーシャルメディア、ゲーム、ブラウジングなどは幸福度を減じる。
    ■ソーシャルメディアによる直接の害(サイバー空間でのいじめや性的被害)及び間接の害(抑うつ)に関しては既に多く立証されている。しかし2010年以降の青少年によるソーシャルメディアの多用と、同じ期間の特に西側諸国における精神疾患の増加との関係性については、評価が分かれている。
    ■2025年版報告では信頼や社会的つながりと幸福度の関係を論じた。人の間のつながりが強く、国に愛着を持つ人にとって、インターネットはプラスの効果を持つ。成人はインターネットの使用もほどほどだが、若者はデジタルが溢れる環境で、足元の崩れを味わっている。
    ■2025年12月、オーストラリア政府はソーシャルメディアの10のプラットフォームを閲覧できる年齢を13歳から16歳に引き上げた。デンマーク、フランス、スペインなども同様の規則を検討中だ。この報告書が政策策定の根拠となることを望む。

  • 2026年度版 2025年版汚職認識度指数
      • 【月刊アフリカニュースNo.161掲載】

    国際NGOであるトランスペアレンシー・インターナショナルが毎年発表している報告書。182か国について、13の指標を用い汚職の認識度を、100点(非常に清廉)から0点(高度に腐敗)の間で点数づけしている。2025年版の主な論点は以下のとおり。
    ■ 全対象国の平均点が、過去10数年で初めて下落し、42点となった。122か国が50点以下で汚職をコントロールできていない。さらに、80点以上の国が10年前の12か国から5か国にまで減少した。懸念されるのは、米国、カナダ、英国、フランスなど民主国家での点数の下落だ。
    ■ 2/3の国が2012年当時から顕著に点数を落としており、これと並行して表現や集会の自由の制限、NGOの活動への政治的介入が強まっている。
    ■ 一方ではZ世代の若者による抗議行動が世界各地で見られ、ネパールやマダガスカルでは政権交代につながった。抗議参加者を結びつけているのは、政権担当者が権力を濫用し、国民に必要なサービスを提供していないという不満だ。
    ■ 大国が国境を超えて汚職の影響を及ぼす例もある。ロシアは情報工作で他国の選挙に介入した。米国が海外汚職実践法の執行を弱めたことは、贈賄などが可能だというメッセージを送る。米国による援助削減は、世界各地の市民社会団体の活動を低下させている。
    ■ 提言は、1)独立して透明性のある司法の確保、2)汚職被害者の司法へのアクセス確保、3)政治的意思決定がもたらす不公正な影響への対応、4)市民の活動スペース確保と汚職事案報告の促進、5)公共サービスと公共財政の透明性と監視の促進、6)大規模な汚職や違法な資金の流れの予防、検知、処罰。
    ■ サブサハラ・アフリカ49か国の平均は32点で、全世界最低。公的資金管理における汚職は指導者の清廉さの不足の現れで、国民の必須サービスへのアクセスを悪化させる。アンゴラは2015年から17点上げたが、それでもスコアは低い。モザンビークは過去10年で点数を10点落とした。

  • 2025年度版 「2026年1月世界経済の見通し更新版:グローバル経済は多様な要素の中で安定している」
      • 【月刊アフリカニュースNo.160掲載】

    IMFが昨年10月に発表した報告書の1月定期見直し版。3か月前からの状況変化を踏まえて更新されている。主な論点は以下のとおり。
    ⚫貿易摩擦は継続的に緩和されているが、再燃の危険を孕んでおり、政策の不確実性も昨年1月時点よりも高い。金融市場は安定しており、世界経済は驚くべき強靭性を示している。ハイテク産業が牽引する形で、2026年の成長予測は3.3%、2027年は3.2%だ。
    ⚫インフレ率も継続して下がると予測される。需要の低下により、原油価格を含むエネルギー価格の下落が予測される。
    ⚫しかしダウンサイドのリスクの方が相変わらず高い。経済の強靭性は、少数のセクターと財政金融政策に支えられてきた。AIが牽引する成長が期待を下回る場合、ハイテク産業への投資は減る。特定のセクターを狙った関税は供給の詰まりを生む。中東、ウクライナ、南米などの地政学上の緊張や国内政策もリスク要因だ。
    ⚫通貨や株が国際金融市場で重要な位置を占める国の債務の増大も懸念される。一方開発途上国では、援助資金の減少が財政を圧迫する。
    ⚫上向きのリスクとしては、AI関係の投資の増加が挙げられる。ビジネスが再活性化すれば、2026年の世界経済を0.3%押し上げる効果がある。
    ⚫財政余力と債務持続性を確保するためには、信頼性の高い財政金融政策が必要だ。財政出動は現実的な想定に基づくべきだ。非効率は資源配分を避けるために、産業政策は特定の市場の失敗に対応するものであるべきだ。中央銀行は価格の安定を確保するための政策を堅持すべきで、マクロ経済の安定には中銀の独立性の維持が必須だ。
    ⚫期待をコントロールし、広いセクターへの投資を促すためには、各国が政策に起因する不安定要因をとり除くことが必要だ。透明性が高く一貫性の高い貿易政策を保持し、国際共通財に対する多国間主義に基づく協力が必要だ。

  • 2025年度版 2026年のアフリカの選挙の予定
      • 【月刊アフリカニュースNo.159掲載】

    南アに本拠地を置き、アフリカのグッドガバナンス、人権、市民参加を促進することを目的に掲げる非営利組織であるEISAがとりまとめている2026年のアフリカの選挙予定。(2025年12月現在)

  • 2025年版世界開発報告:発展のための標準
      • 【月刊アフリカニュースNo.159掲載】

    世界銀行が毎年発表している報告書。2025年版は「標準」をテーマとし、標準化の促進が開発途上国にとって急務だと主張している。主な論点は以下のとおり。
    ■世界は暗黙の了解の下に動いている。プラグがソケットに収まり、世界中どこでも1kgが1㎏であるのは、標準の存在による。標準は知識の集合体で、信頼を形成し、経済が効率的に機能するためのものだ。
    ■標準には、計量可能性、互換性、質、の三つがある。当初は民間セクターが自発的に作成するが、政府がそれを普及させる。自発的標準作成はイノベーションを促すが、一方で健康、安全、環境を守るための義務的標準も必要だ。
    ■世界の貿易は90%の非関税障壁から成り立っており、そのほとんどは標準に関するものだ。このため中・低所得国にとって標準化の促進は急務だが、自国の能力に応じ、国際標準の国内への適用、国際標準との調和化、国際標準作りへの参画、という段階を踏むことが現実的だ。
    ■試験、認可、計量などへの投資は高額となるため、最初は中核セクターから開始するべきだ。また認可のプロセスの簡略化も必要だ。
    ■標準を発展のための踏切板にするため、中・低所得国は、1)企業に対する、非現実的な義務ではなく、質の向上のためのインセンティブの付与、2)国の実情に合わせた国際標準の適用、3)国際標準作りへの積極的な参加、4)質の高いインフラへの投資と地域的な共有、が必要だ。
    ■国際社会には、1)中・低所得国の国際標準作りの参加に対する支援や、国の能力に応じた段階的標準化促進の設計、2)規制に関する協力の深化と、細分化の防止、3)気候変動緩和のための新興技術に関する標準作り、4)標準の社会経済への影響に関する研究の拡大、が求められる。
    ■日本、韓国、台湾、中国などの「東アジアの奇跡」の要因についてこれまで様々に論じられてきたが、触れられてこなかったのは、これらの国が製造業の標準化や品質管理を系統的に進めてきたことだ。
    ■本は品質コントロールから品質マネジメントへ、韓国は標準化インフラの段階的整備、中国は標準の適用から国際標準の作成者へ、という過程を経てきた。その要因は、標準化を進めるための政府の高い能力、品質向上と輸出振興の相互作用、先進的企業からの知識伝播、などだ。

  • 2026年アフリカの見通し:地政学的転換の中での成長と機会
      • 【月刊アフリカニュースNo.159掲載】

    英国に本拠を置くシンクタンクEIUが、2026年のアフリカの見通しを分析した報告書(要約版)。主な論点は以下のとおり。
    ■2026年にアフリカが直面するリスクの第一は債務で、多くの国が外的逆風に晒されているが、国際社会がアフリカの重債務解消に向けて動く兆しは見えない。このため2026年の債務負担はさらに増し、財政・構造改革を迫られる。特に深刻なのはエチオピア、モザンビーク、チュニジア、ザンビア。
    ■リスクの第二は民主主義の後退で、政権党がその座を維持するために、選挙において憲法を捻じ曲げるケースが続くだろう。一方、人口増と雇用不足の中にあるZ世代の若者の活動は2026年も続き、デジタルな結びつきがそれを国内外に拡張するだろう。
    ■機会としては、東アフリカと西アフリカの成長率が最も高くなるだろう。その要因は戦略的なインフラ整備、急速な都市化、デジタル活用、海外直接投資の増などだ。継続案件となっている貿易交渉は、機会とリスクをもたらす。米国のアフリカ成長機会法は更新の可能性があるが、これまでとは異なる条件となるだろう。
    ■中露を含む大国の、アフリカの重要鉱物を巡る競争は外交と投資を通じて激化するだろう。投資には鉱山の運営、加工、エネルギー・運輸インフラ整備が含まれる。
    ■若者や都市住民が主体となるデジタル革命が進むだろう。エジプト、ケニア、ナイジェリア、セネガル、南アが技術ハブとなるだろう。デジタルサービスや製品はより速く大陸内及び多くの分野に拡散し、内外の企業に新しい機会を提供するだろう。

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