
皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 「ブルキングスによるアフリカの成長イニシャティブ、2020年のトップ5」
- 【月刊アフリカニュースNo.100掲載】
-
“Africa Growth Initiative’s top 5 figures of 2020”
Brookings、Chris Heitzig、2020 12月30日,
ブルッキングスによる以下5分野における2020の評価が国際機関の
資料などを使って詳しくなされている。
1.アフリカにおけるCOVID-19のマクロ経済への影響
世銀によれば、2019から2020年にサブサハラ・アフリカのマクロ経済は
3.7~6.7%の減少となろう。特に産油国―アンゴラやナイジェリアと
大陸の最大輸出国である南アフリカにおいて大幅な減少となろう。2021年
には、成長率は上向くが、2018年と2019年を下回ろう。
Growth projections for sub-Saharan Africa, 2020 and 2021
(*表については、本文をご参照願います)
Source: World Bank, Africa’s Pulse, April 2020.
2.COVID-19のエチオピア企業への影響
調査は電話による聞き取りである。およそ80%の企業が需要の減退を経験している。
また、およそ25%の企業は閉鎖をせざるを得なくなった
Ways in which Ethiopian firms are affected by COVID-19
(*表については、本文をご参照願います)
Source: Data from World Bank, Monitoring COVID-19 Impacts on Ethiopian Firms, 2020.
3.アフリカの都市化のダイナミックス
サブサハラ・アフリカ地域は世界で都市化が進んでいない地域であるが、都市
人口は1950年以来増加し続けている。
図表 Evolution of urbanization in Africa, 1950-2010
図は下記のURL を開いてください。
https://www.brookings.edu/wp-content/uploads/2020/12/201230_agi_fotw_fig3-e1609340408109.png
4.デジタルスキルとアフリカにおける将来の仕事
サブサハラ・アフリカにおけるデジタル技術は国によって大いに異なる。
ソーシャルメディア、グラフィック・デザインなどはほとんどすべての国に存在するが、
クラウド計算、ゲームの製作技術がある国は少数である。
DIGITAL SKILLS AND THE FUTURE OF WORK IN AFRICA
(画像による説明は下記のURLを開いてください)
https://i2.wp.com/www.brookings.edu/wp-content/uploads/2020/12/201230_agi_fotw_fig4.jpg?fit=1000%2C750px&ssl=
5.アフリカの4次産業革命への準備
アフリカ諸国は先進国がたどったような工業化の過程を経ていない。しかし、
第4次産業革命(4IR)はアフリカ諸国にも成長の機会を与える可能性がある。
人工知能、クラウドコンピューティング、インターネットなどの新しい技術は、
4IRを特徴付けているが、現在のアフリカ諸国はこれらの分野で後塵を拝して
いるが追い付けない理由はない。
Africa’s information and communications technology development indicators
(画像は下記のURLを開いてください)
https://www.brookings.edu/wp-content/uploads/2020/12/201230_agi_fotw_fig5- e1609341074511.png
- 「2021年のアフリカにける重要な選挙予定」
- 【月刊アフリカニュースNo.100掲載】
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“Taking Stock of Africa’s 2021 Elections”
African Center for strategic Studies、Joseph Siegle & Candace Cook、1月12日
https://africacenter.org/spotlight/2021-elections/
下記の13ケ国の選挙について、各国別にその重要性について詳しい説明がある。
(*表については、本文をご参照願います)
* In addition, there are 8 legislative elections this year: Somalia (January), Central African Republic (March)†, Cabo Verde (March)†, Gabon (early 2021)†, Madagascar (2021)†, Cote d’Ivoire (March 6), Chad (October 24), Morocco (November)†.
† Date not yet announced.
- アフリカ諸国COVID-19感染症数等
- 【月刊アフリカニュースNo.99掲載】
① African Arguments、https://africanarguments.org/ を開き、
“Coronavirus in Africa Tracker: How many covid-19 cases & where? [Latest]”
を開く。各国の当日までの感染者数表と過去の感染者数の推移グラフがある。
② AllAfrica, https://allafrica.com/。を開き、
Coronavirus (https://allafrica.com/coronavirus/)を開くと
当日までの各国の感染者数、回復者数、死者数表と地図がある。
- 「中国の南部アフリカ諸国への債権は大きな計画の一環である」
- 【月刊アフリカニュースNo.99掲載】
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“China’s Southern Africa Debt Deals Reveal a Wider Plan”、
Chatham House, Alex Vines OBE、 12月10日https://www.chathamhouse.org/2020/12/chinas-southern-africa-debt-deals-reveal-wider-plan
・アフリカの債務者の状況は、より伝統的な多国間および二国間債権者に加えて、中国や民間債権者などの新規参入者によって変化している。COVID-19危機は、現在の国際債務・債務の在り方を再構築しなければならないことを示している。
・COVID-19危機は、アフリカの債務返済と債権放棄を再び国際的なアジェンダのトップに押し上げているが、今回の債務の多くは二国間、非譲与的、または商業的な起源である。
・多くの南アフリカ諸国はパンデミックの前にすでに経済的苦境にあり、アンゴラ、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエは、中国に持続不可能な債務負担を抱えている。
・4月に世界銀行の開発委員会とG20財務大臣会議は、40のアフリカの後発開発途上国(LDC)を含む債務サービス停止イニシアチブ、Debt Service Suspension Initiative (DSSI)を支持した。IMFとG7も支持するが、債務の減少は行わず、2021年6月以降に返済延期を認めた。DSSIとそれがアフリカ南部でどのように機能するか、正しい方向への一歩にする可能性がある。
・アンゴラとモザンビークの債務はそれぞれの経済全体より大きい。アンゴラ、モーリシャス、南アフリカ、ボツワナは債務合計の10%以上の債務支払いを行っている。
・いくつかの国の債務の1/3以上は民間債権者に対するものであり、モーリシャスやザンビアは40%以上に達している。中国の貸し出しは、モザンビーク18%、ザンビア26%、ジンバブエ25%であり、すでにこれらの国は「高リスク」と分類されている
・2019年にザンビアの債務は$112億で、GDPの 48 % である。IMFは2020年末にはGDPの70%近くになろうと予測している。$4,250万のユーロボンドクーポンを支払わなかった後、アフリカ初のパンデミック時代のソブリン・デフォルトになった。
・中国の$30億のザンビアへの債権の内$26億は中国の輸出入銀行であり、ザンビアは2020年の$1億1千万の利息と元金支払いをDSSI合意に基づき停止している。
・中国の債権外交はアンゴラで展開されている。アンゴラへの債権は$201憶ドルである。アンゴラ政府の債務総額はGDPの120%であり、年間の債務支払いは$90億である。その半分は中国への支払いである。アンゴラは中国への第4の石油輸出国である。アンゴラの石油の72%は中国への輸出である。
・中国の貸し出しの5%は無利息であり、中国は2020中にアフリカ諸国に無利息債務の帳消しをFOCACの枠内で行うシグナルを発している。2012年に次のFOCACをダカールで開催することを表明し、これをCOVID-19後の回復のショウケースにしようとしている。
- アフリカ諸国COVID-19感染症数等
- 【月刊アフリカニュースNo.98掲載】
- 国別の感染者数、回復者数、死亡者数については、以下リンクを参照されたい。
① 各国の当日までの感染者数表と過去の感染者数の推移グラフ
African Arguments
“Coronavirus in Africa Tracker: How many covid-19 cases & where? [Latest]”② 当日までの各国の感染者数、回復者数、死者数表と地図
AllAfrica
Coronavirus
① African Arguments、https://africanarguments.org/ を開き、
“Coronavirus in Africa Tracker: How many covid-19 cases & where? [Latest]”を開く。
各国の当日までの感染者数表と過去の感染者数の推移グラフがある。
② AllAfrica, https://allafrica.com/。を開き、
Coronavirus (https://allafrica.com/coronavirus/)を開くと
当日までの各国の感染者数、回復者数、死者数表と地図がある。
- 「生物多様性とパンデミック報告書」
- 【月刊アフリカニュースNo.98掲載】
- “Workshop on Biodiversity and Pandemics”
Intergovernmental Platform on Biodiversity and Ecosystem Services(IPBRS)
IPBRS、10月30日https://ipbes.net/sites/default/files/2020-10/20201028%20IPBES%20Pandemics%20Workshop%20Report% 本文
https://ipbes.net/sites/default/files/2020-10/IPBES%20Pandemics%20Workshop%20Report%20Executive%20Summary%20Final.pdf サマリー
・報告書によれば、 パンデミックは予防戦略がなければ、より頻繁に出現し、より急速に広がり、より多くの人々を失い、これまで以上に壊滅的な影響を世界経済に与えるであろう。
自然界に見られる微生物の多様性からパンデミックが出現する。
・大多数(70%)の新たな疾患(例えばエボラ、ジカ、ニパ脳炎)、およびほとんどすべての既知のパンデミック(例えばインフルエンザ、HIV/エイズ、COVID-19)は、人獣共通感染症である。
・現在発見されていないウイルスは、170万種と推定され、多くは哺乳類と鳥類の宿主に存在すると推定されている。このうち、540,000~850,000が人に感染する能力を持つ可能性がある。
・パンデミックの可能性を持つ病原体の最も重要な宿主は、哺乳類(特にコウモリ、げっ歯類、霊長類)といくつかの鳥(特に水鳥)だけでなく、家畜(例えば、豚、ラクダ、家禽)である。
人間の生態学的混乱と持続不可能な消費がパンデミックのリスクを促進する。
・パンデミックのリスクは急速に高まっており、毎年5つ以上の新しい病気が人々に出現しており、そのうちの1つが広がり、パンデミックになる可能性がある。
・人間の活動とそれが環境に及ぼす影響によって新しい病気が引き起こされるので、病気の出現で野生動物を非難することは、誤りである。
・土地利用の変化、農業の拡大と強化、野生動物の貿易と消費、およびその他の社会の動きによる環境の利用は持続不可能であり、野生動物とその微生物間の自然な相互作用を混乱させ、野生動物、家畜、人々、および病原体間の接触を増加させ、ほとんどすべてのパンデミックにつながる。
・COVID-19が世界経済に与える真の影響は、ワクチンが完全に配布され、その伝染が無くなった後にのみ正確に評価することができる。しかし、そのコストは2020年7月までに世界で8〜16兆米ドルと見積もられており、2021年の第4四半期までに米国だけで16兆米ドルになる可能性がある。(ワクチンがそれまでにコントロールに効果的であると仮定)。
・保護地域の保全と、生物多様性の高い地域の持続不可能な利用を減らせば、野生動物と家畜の接触を減らし、新しい病原体の波及を防ぐのに役立つであろう。
土地利用の変化、農業の拡大、都市化が新たな疾患の原因である。
・土地利用の変化は、パンデミックの原動力であり、1960年以降に報告された新しい疾患の30%以上を引き起こしている。
・土地利用の変化には、森林破壊、主に野生動物の生息地における人間の居住、作物や家畜の生産の増加、都市化が含まれる。
野生動物の貿易と消費は、世界的にパンデミック出現の重要なリスクである。
・野生動物の貿易は人類の歴史と共にあり、多くの国の人々、特に先住民族や地域社会に栄養と福祉を提供している。
・全ての野生の陸上脊椎動物の約24%が世界的に取引されている。国際的な合法的な野生動物取引は、過去14年間で価値は5倍以上増加しており、2019年には1,070億米ドルの価値があると推定されている。違法な野生動物取引は年間7~230億米ドルの価値があると推定されている。
地球環境変化を減らすことはパンデミックリスクを減らすかもしれない。
・パンデミックリスクは、責任ある消費を促進し、持続不可能な消費―野生生物と
野生生物由来の製品、および家畜からの肉の過剰消費―を削減することで減少する。
・保護地域の保全の対策として、生物多様性地域からの過剰な収穫、野生動物と家畜の接触を減し、新しい病原体の波及を防ぐ。
現在のパンデミック戦略は病気が出現した後に病気をコントロールすることを目指す。
・この戦略は多くの場合、生物多様性に依存し、それに影響を及ぼす可能性がある。
・バンデミックに対する今までの対応は、病気の後の封じ込めとコントロールを目指し、
ワクチンと治療開発へのアプローチであるが、病気が発生する前にパンデミックのリスクを減少することが期待される。
・ワクチンと治療開発は、自然界に見られる微生物、分子、遺伝子の多様性へのアクセスに依存している。
・多くの重要な治療は、先住民族の知識と伝統的な薬から得られている。
結論
この報告書は変革の必要性を主張し、学問的証拠を用いてパンデミックを防ぐための政策のオプションを提示している。政策の多くはコストが高く、実行が困難で、その効果が不確かに見える。しかし、経済的な分析から見れば,COVID-19の何兆ドルの影響に比べれば、僅かなものである、ましてや将来の疾病を考慮に入れれば、尚更である。