フォーラム
2023年

アフリカの感染症を知る」シリーズ第8回講演会

  • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第8回講演会
  • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ 第8回講演会

    前回は、参議院議員の武見敬三先生に「感染症対策のグローバルな枠組み」について講演をいただきました。交通網の発達により感染症が瞬く間に世界中に拡散するという感染症のグローバル化に対しては、グローバルヘルスへの対策転換とそのためのファイナンスの重要性をお話いただき、賛同すべき点が多々あったと感じております。

    2000年代に入り、グローバリゼーションの進行による富の偏在が原因で国家間・個人間の経済的格差が拡大、さらに気候変動・温暖化による疾病構造の変化が起こってきました。この問題は従来のドナー中心の支援では対処できず、こうした国境の枠を超えた健康課題を解決するため、新たなパラダイムとしてグローバルヘルスが提唱されるようになりました。
    2000年9月の国連ミレニアム・サミットで国連ミレニアム宣言が採択され、21世紀の国連の役割の方向性を提示する目的で、ミレニアム開発目標(MDGs)がまとめられましたが、この
    目標の中で重要とされる8つのゴールの内、グローバルヘルス関連として、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止が上げられております。その後、持続可能な開発目標(SDGs)が2015年からスタートしていて、現在に至っています。
    今回講演頂く長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の神谷教授は、援助の形骸化や限界、理想と現実の乖離などから現場での実践の重要性を感じ、長年アフリカ・アジアで活動をされてきました。ご専門は国際保健・小児保健であり、SDGsの重要課題に関連して今回は感染症と小児保健の観点からお話頂くこととしております。

    概要
    日時: 2023年11月2日(木) 14時から15時30分
    場所: オンライン(ZOOM)
    テーマ:「感染症と小児保健」
    講演者:神谷保彦 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授
    司会: 池上清子 公益財団法人アジア人口開発協会専務理事、アフリカ協会副会長、野口英世アフリカ賞選考委員

    講演会の概要は、機関紙「アフリカ」冬号に掲載致します。また協会HPにて講演内容を視聴できますので併せてご参照願います。


オンライン・アフリカ講座第7回開催

  • オンライン・アフリカ講座第7回
  • オンライン・アフリカ講座第7回 

    機関誌「アフリカ」掲載の“アフリカ・ニュース解説”にさらなる詳細な解説及びその後の推移を報告するオンライン・アフリカ講座の第7回です。
    今回は、機関誌「アフリカ」掲載の記事とは別に、ウクライナ戦争を契機に明白となったAU諸国の分断と、今後のAUの動向に大きな影響を与える南アフリカの外交政策に関して、
    中村宏毅 武蔵野大学法学部政治学科准教授にお話を伺いました。
    独立後アフリカ諸国は旧宗主国との関係を基に政治・経済体制の確立に努めましたが、一部の国は冷戦時代に旧ソ連や中国による軍事・教育面での支援を受け、その影響は60年を経た現在でも残っています。
    G20において、インド・AUを中心にグローバルサウスとしての存在感を示そうとする動きがありますが、アフリカのリーダー国の一つである南アフリカの外交政策は、周辺の諸国への影響も大きく、今後も十分注視していく必要があると思われます。

    日時: 2023年10月26日(水) 15時より16時30分
    場所: オンライン方式(ZOOM)
    講師: 中村宏毅 武蔵野大学法学部政治学科 准教授
    テーマ:「AU内の分断と南アフリカの外交政策」

    講演概要は、機関紙「アフリカ」冬号にて報告いたしますが、内容をご視聴されたい方々は協会HPにて講演内容をご覧いただけますので、ご参照願います。


第9回大使を囲む懇談会開催

  • 三澤駐タンザニア共和国大使を囲む懇談会
  •  2023年度第9回三澤駐タンザニア共和国大使を囲む懇談会

    8月31日午後、国際文化会館会議室において三澤康・駐タンザニア連合共和国大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者19名、オンラインによる出席者23名)。

    三澤大使より以下の説明を行いました。
    特に、隣国ケニアとの開発・発展の歴史を比較しつつ見ると、1960年代にタンザニアが社会主義を標榜する「アルーシャ宣言」の後、西側寄りの道を進んだケニアとは異なり、反アパルトヘイトの動きのリーダー的存在としての道を進んだことが分かる。しかし1980年代の構造調整の時期以後は社会主義路線を修正して複数政党制を導入する道を歩んできた。山岳、高地、平野、河川と海などの自然には恵まれており、また多くの鉱物資源にも恵まれており、農業面では、主食生産は国民の需要を賄ったうえで、近隣国への輸出も行っている。また、近隣国からの難民も多く受け入れてきた。その他、経済のポテンシャルの一つである、「人口爆発」が現在同国では進行中である。
    ドドマへの首都移転の促進、徹底的な汚職対策などの他、大規模インフラ建設のプロジェクト推進等を行ったマグフリ前大統領の病没後、副大統領から昇格して政権の座についたサミア氏の新政権は、首都ドドマ移転は継承しつつも、その他外交、女性の社会進出、国内融和等の面でも努力し、大規模なインフラ整備も引き続き進捗させた他、保健・農業分野も重視し、また投資誘致の努力などを行い、ビジネス環境の改善も見られる。対日関係では、日本との貿易関係の総量は多くはないが、これまで日本は同国への経済・技術協力他の面で密接な関係を続けており、日本からの円借款供与が可能な国の一つである。日系企業は、規模はさまざまであるが、現在計40社以上が進出し、両国間のビジネス対話も開始された。

    その後、法人企業代表等の出席者より、「現在建設中のジュリアス・ニエレレ水力発電所は、環境への影響が懸念される側面もあるが、右を含め、電力開発の現状はどのようになっているか?」、「その他、石炭、火力発電、天然ガス開発などの現状はどうか、また地熱開発の可能性、太陽光発電などはどのような状況か」、「原油価格は最近どの位か、また経済成長と債務の問題を国民はどのように考えているのか?」、「ケニアとの二国間関係の現状はどのようになっているのか?」、「外貨が不足しているが、右の解決法はどのようなものか?」、「政府の農業予算が倍増したと伺ったが、重点はどの分野か?」、「円借款対象国と伺ったが、最近の事例はどのような分野だったのか?」、「ドドマに政府省庁が移転済みということだが、その良い結果が出ているのか?」、「30年位前に同国に勤務したが、その後インフラ特に道路、電力、輸送力などの面で大きな改善がなされたのか?」、「同国の中央回廊の輸送力の面から見て、バガモヨ新港建設案をどう見るか?」などの質問が出されました。


第8回大使を囲む懇談会開催

  • 加藤駐ギニア共和国大使を囲む懇談会
  •  2023年度第8回加藤駐ギニア共和国大使を囲む懇談会

    8月17日午後、国際文化会館会議室において加藤隆一・駐ギニア共和国大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者12名、オンラインによる出席者18名)。

    加藤大使より以下の説明を行いました。

    ギニアのセク・トゥーレ初代大統領は、仏語圏アフリカで唯一仏共同体には入らず独立、社会主義を標榜する形で、同国を導いた。その後同国は自由主義体制をとったが、アルファ・コンデ前大統領へのクーデタにより、2021年ママディ・ドゥンブヤ氏が暫定大統領に就任し、現在に至っている。この政変に対し、AUとECOWASはいずれもギニアの参加資格を停止し、ECOWASは対ギニア制裁を行っている。本年1月、民政移管期間(来年末まで)が開始された。今後の課題は野党との政治対話の実施、移行クロノグラムの着実な実施及びECOWASとAUへの参加資格回復である。

    民族としては、人口の4割を占めるプル族の他、マリンケ族、スス族等が居住しているが、民族の政治化が国民融和の上での課題、埋蔵量世界一を誇るボーイサイトはじめ豊富な鉱物資源を有する同国の、特に鉱業分野の成長率は高いが、国民の多くは農業・畜産業等の非鉱業分野に従事しており、貧困率は高く、また、鉱業分野から適切な税収入を得られていない可能性があると見られる。現在同国の債務リスクは中程度であり、中国、世銀、IMFが主な貸し手。インフラ面では、主要な国道の整備がドナー国等により進められている。エネルギー開発面では、電力普及率が46.8%であり、都市部でも停電が頻発している状況。教育・保健分野の開発は遅れている。日本は同国に新型コロナウィルス対策支援の他、これまで種々の協力を実施してきた。また昨今の西アフリカにおける反仏感情の高まりに関連して、
    ギニアに見るフランスのアフリカ政策の変遷と特長についても説明した。

    次いで法人会員など参加者より、「AUやECOWASによる対ギニア制裁がリフトされていない現状で、他国との間の人の自由な移動は可能なのか?」、「ブルキナ・ファソやマリなどの場合はジハーディストの存在が見られるが、ギニアには無いと見て良いのか?」、「ニジェール川の豊富な水を有する同国は、より農業発展を遂げてもよいと思われるところ、発展を阻害する要因は何か?」、「ニジェール、マリなど当該地域の北部の不安定化が見られるが、ギニアは今後どのように軍備を含め、かかる動向に対処していくのか?」、「民生化スケジュールにのっとって、次期政権を決定する国政選挙が近いうちに実施されるが、ドゥンブヤ暫定大統領の出馬はあると見られているのか?」、「同国のインターネット使用者数は、あまり伸びていないが、特に理由はあるのか?」などの質問が出されました。


学術研究会 第7回研究発表会

  • 学術研究会 第7回研究発表会
  • 8月3日午後、アフリカ協会主催第7回学術研究会報告会を開催致しました。
    講師 :甲斐田きよみ 文京学院大学外国語学部・外国語研究科 准教授 博士(国際開発学)
    テーマ:「アフリカにおけるジェンダーと開発~女性の世帯内発言力は向上しているか~」
    甲斐田准教授は、名古屋大学国際開発研究科博士後期課程をご卒業後、青年海外協力隊(ニジェール)やJICAナイジェリア専門調査員などでアフリカにおける女性の生活向上のための研究活動に従事され、帰国後、龍谷大学社会科学研究所の博士研究員を経て現在の教職で研究に携わっていらっしゃいます。
    アフリカにおける女性活躍の場は広がっているものの、「ジェンダー平等」達成への道のりはいまだ遠い状況にありますが、今回はナイジェリアにて長年尽力されたJICAの技術協力プロジェクトである「女性の生活向上のための女性センター活性化支援」プロジェクトで取り組まれた研究調査を通して、一般の女性たちがどのような課題を抱えているかを紹介し、その解決のために夫や親族とどのような交渉をしているかを講演して頂きました。

    概要は、機関誌「アフリカ」2023年秋号にて報告いたしますのでご参照願います。また、講演内容は当協会HPに掲載しておりますのでご視聴願います。


第6回大使を囲む懇談会開催

  • 田中駐ジンバブエ共和国大使を囲む懇談会
  •  2023年度第6回・田中駐ジンバブエ共和国大使を囲む懇談会

    7月20日午後、田中聡志・駐ジンバブエ共和国大使をお迎えして、同国の近況について伺う会をオンライン形式で開催しました(会員企業等からの出席者22名)。なおこの懇談会は当初対面及びオンラインの形式で開催する予定でしたが、都合により当日、オンラインのみによる形式に変更して開催されました。

    田中大使より以下の説明を行いました。

    2018年の国政選挙で選出されたムナンカグワ大統領は、ビジネスに開かれたジンバブエ、国民に開かれた政権、政治改革、法の支配、人権の尊重などを掲げてその後一定の成果を収めたが、同選挙の結果に異議を唱えた対立候補のチャミサMDC同盟党首はその後CCC党首として一部の支持を得ており、来月の国政選挙もムナンカグワ対チャミサの対立の構図となろう。この間、2020年には、農地を収用された白人農家への補償案が決定したが、資金難から実際の補償は進んでいないと見られる。
    現政権は、外交の基本方針として「Engagement and Reengagement」を掲げているが、これは、グローバル・サウスの一員として従来の友好国(中国、ロシア)との関係を維持しつつ、欧米諸国との関係も改善し、さらにインドやUAEなどの新たなフロンティアとの友好的な関係を築いていこうとするものであり、さらに英連邦への復帰も希望している。欧米諸国は、2000年頃からの同国の政治的暴力、人権状況の悪化、白人農家の土地収用などから、経済制裁を課しており、同国の状況の一部には改善がみられるものの、経済制裁は引き続き行っているが、他方一部の分野への投資や貿易関係の強化も行っている。同国のAU、SADC との関係は良好であり、また中国は豊富な鉱物資源を有する同国への積極的な外交と支援を展開している。
    経済面では、同国のビジネス環境は世界で140位とする分析もある(2020年、世銀)。農業近年干ばつに見舞われたこともあったが、その後回復している。金融・通貨面での政策が混迷しているため、数年前のハイパーインフレはその後一旦終息したが、米ドルと現地通貨の双方が流通し、現地通貨の価値は下落している。しかし同国は豊富な鉱物資源に恵まれ、新たな投資を行う外国もある。エネルギー開発面では問題もあり、現在首都ハラレでもしばしば短時間の停電がある状態。
    日本の同国への経済協力は、現在有償資金協力は実施していないが、道路改修工事、灌漑設備建設等の無償資金協力案件の他、協力隊員の派遣などの技術協力を実施している。

    次いで法人会員など参加者より、「ジンバブエは世界でも有数のリチウム埋蔵国であるが、リチウムに関する政策とカーボン・クレジット政策が発表されたところ、その運用がよく見えないところがあるが、どう見るか?」、「中国の対アフリカ投資が全般的に減っているという見方があるが、中国から同国への投資は、どのような概況か?」、「一時同国には白人が8万人程度居住して農業他のビジネスを行っていると言われたが、農地収用後の現在はどうか?」、「次期選挙1ヵ月後に迫る中、昨今の与党と野党の勢力に大きな変化は見られるか?」などの質問が出されました。


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