講演会イベント2023 |
- 11月21日
近年アフリカの人口・経済規模の急速な拡大と共に、世界の政治・経済に及ぼすアフリカの影響がますます意識されるようになりました。米中対立の益々の深刻化やロシアによるウクライナ侵攻の継続により世界は新たな秩序とバランスを求めて模索しています。
その中でアフリカは、伝統的な資源・エネルギーの供給先としてだけでなく、世界最速の市場規模の拡大、更にはグローバルサウスの重要な一角として国際社会での発言力を増しています(G20へのアフリカ連合(AU)の加入やBRICSへのエジプト、エチオピアの加盟等)。
かかる問題意識の下で日本は今後のアフリカにどう向き合い、アフリカと共に何を世界に語っていくのか来たる横浜でのTICAD9を睨んで今まさに問われているように思われます。本シンポジウムではこうしたテーマについて外交や経済の専門家が夫々の立場から議論致しました。
講 師:パネリスト
外務省中東アフリカ局アフリカ部 部長 堀内俊彦
独立行政法人国際協力機構 理事(アフリカ担当) 安藤直樹
独立行政法人日本貿易振興機構 アジア経済研究所
上席主任調査研究員・アフリカ協会 理事 平野克己
テーマ:「激動する国際情勢とアフリカ-日本の役割はどうあるべきか」
日 時:2023年11月21日(火)10時~11時45分
司 会:一般社団法人アフリカ協会 理事長 草賀純男
- 11月2日
- 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第8回講演会
前回は、参議院議員の武見敬三先生に「感染症対策のグローバルな枠組み」について講演をいただきました。交通網の発達により感染症が瞬く間に世界中に拡散するという感染症のグローバル化に対しては、グローバルヘルスへの対策転換とそのためのファイナンスの重要性をお話いただき、賛同すべき点が多々あったと感じております。
2000年代に入り、グローバリゼーションの進行による富の偏在が原因で国家間・個人間の経済的格差が拡大、さらに気候変動・温暖化による疾病構造の変化が起こってきました。この問題は従来のドナー中心の支援では対処できず、こうした国境の枠を超えた健康課題を解決するため、新たなパラダイムとしてグローバルヘルスが提唱されるようになりました。
2000年9月の国連ミレニアム・サミットで国連ミレニアム宣言が採択され、21世紀の国連の役割の方向性を提示する目的で、ミレニアム開発目標(MDGs)がまとめられましたが、この
目標の中で重要とされる8つのゴールの内、グローバルヘルス関連として、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止が上げられております。その後、持続可能な開発目標(SDGs)が2015年からスタートしていて、現在に至っています。
今回講演頂く長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の神谷教授は、援助の形骸化や限界、理想と現実の乖離などから現場での実践の重要性を感じ、長年アフリカ・アジアで活動をされてきました。ご専門は国際保健・小児保健であり、SDGsの重要課題に関連して今回は感染症と小児保健の観点からお話頂くこととしております。
講 師:神谷 保彦 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授
テーマ:「感染症と小児保健」
日 時:2023年11月2日(木) 14:00~15:30 オンライン(Zoom)
司 会:池上清子 公益財団法人アジア人口開発協会専務理事、アフリカ協会副会長
- 10月26日
- 第7回オンライン・アフリカ講座
ウクライナ戦争を契機とした米・欧と中・露の対立はアフリカ諸国に大きな影響を与えた。独立後アフリカ諸国は旧宗主国との関係を基に、政治・経済体制の確立に努めたが、一部の国は冷戦時代に旧ソ連や中国による軍事・
教育面での支援を受け、その影響は60年を経た現在でも残っている。
AU内部は、3月2日のロシア非難の国連決議で54ヵ国中賛成28・反対1・棄権17・不参加8とその意見が分かれるなど、決して一枚岩ではない。そして、このような分断は、西サハラ問題等他の問題においても見られるものである。
9月に開催されたG20において、議長国であるインドはグローバルサウス
としての存在感を示そうと、AUを常任加盟国として招聘することを決めたが、
果たして統一した行動をAUとして取れるのか、疑問もある。
特にアフリカのリーダー国の一つである南アフリカの外交政策は、周辺の
諸国への影響も大きく、今後も十分注視していく必要があろう。
講 師:中村宏毅 武蔵野大学法学部政治学科 准教授
テーマ:AU内の分断と南アフリカの外交政策
日 時:2023年10月26日(木)15:00~16:30
司 会:アフリカ協会副理事長 淺野昌宏
- 08月3日
- 学術研究会 第7回研究発表会
アフリカにおける女性活躍の場は広がっているものの、「ジェンダー平等」達成の道のりは未だ遠い。本報告ではナイジェリアにて長期間携わった「女性の生活向上のための女性センター活性化支援」プロジェクト、並びにナミビアやカメルーンなどの現地調査を通して得た女性の世帯内発言権の実態について取り上げ、彼女たちの抱える問題点などに言及したい。そして女性たちが夫や親族にどのように対応しているのか紹介し、併せて女性を支援するための外部による支援の在り方について幾つかの提言を試みたい。
講 師:甲斐田きよみ 文京学院大学外国語学部・外国語学研究科准教授。博士(国際
開発学)
テーマ:アフリカにおけるジェンダーと開発~女性の世帯内発言力は向上しているか?~
日 時:2023年8月3日(木) 14時00分から15時半
司 会:青木一能 アフリカ協会学術研究委員会委員長(日本大学名誉教授)
- 07月13日
- 第6回 ロシアとアフリカ2
1)はじめに
2)南アフリカ
3)マリ
4)おわりに
講 師:片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
テーマ:「ロシアの対アフリカ関与(後編)」
機関紙「アフリカ」に掲載されているアフリカ・ニュース解説をその後の状況推移も含め、詳細に解説いたします。
日 時:2023年7月13日(水)午後14時より15時30分
司 会:片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
- 07月06日
- 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第7回講演会
前回はAIDS/HIV、マラリアと並んで3大感染症の一つといわれる“結核”に関するご講演を、国際医療研究センター国際医療協力局の宮野真輔先生にお願い致しましたが、
今回は参議院議員の武見敬三先生に「感染症対策のグローバルな枠組み」について講演をお願いいたしました。
近年、交通網の発達につれ人間の移動が速く・遠くになるに伴って、感染症は瞬く間に世界中に拡散することが顕著になってまいりました。その良き例が今回の新型コロナによって引き起こされたパンデミックです。過去人類は何回かのパンデミックを経験しています。近くは1968年の香港風邪、1918年のスペイン風邪などですが、その都度世界の政治・経済は崩壊してきました。今回の新型コロナも発生後3年余りが経過して、漸く沈静化の見通しがたってきましたが、その間の世界の経済や人間の生活に与えた影響は計り知れないものがあります。
今回発生の原因や感染拡大防止に関する問題など調査・研究すべき課題は多数散見されますが、他方沈静化、特に発展途上国の沈静化に至った要因の一つにWHOを中心とした世界的な対策があったと言っても過言ではございません。感染症のグローバル化に対するグローバルな対策に関して、武見先生の講演は非常に興味あるお話となっています。
講 師:武見 敬三 参議院議員 元厚生労働副大臣
テーマ:「感染症対策のグローバル枠組み」
日 時:2023年07月6日(木)14:00~15:30 オンライン(Zoom)
司 会:池上清子 公益財団法人アジア人口開発協会専務理事、アフリカ協会理事
- 05月10日
- 学術研究会 第6回研究発表会
稲田先生のご専門は、経済社会分析、ガバナンス研究、援助評価でありますが、今回はアンゴラとルワンダという二つの国を通して、紛争体験国のガバナンス状況の比較研究という内容で語って頂きます。
講 師:稲田 十一 専修大学 経済学部 教授
テーマ:「民主的開発国家」は可能か-紛争後のアンゴラとルワンダの比較研究
日 時:2023年5月10日(水) 10時30分から12時30分
司 会:青木 一能 アフリカ協会学術研究委員会委員長(日本大学名誉教授)
- 04月20日
- 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第6回講演会
前回は未だに世界中で2億4千万人が発症するというマラリアに関するご講演を国立国際医療研究エンターの狩野繁之先生に頂きましたが、今回はAIDS/HIV、マラリアと並んで3大感染症の一つといわれる“結核”に関するご講演を、国際医療研究センター国際医療協力局の宮野真輔先生にお願い致しました。
結核は、1882年にロベルト・コッホにより発見された結核菌により主として引き起こされる感染症で、WHOによると、結核は2020年には世界中で1,000万人が発症し、150万人が死亡したと推定されています。
死者の内、95%以上は低中所得国で、これらの国では、特に15歳から44歳までの女性の
死因の5位以内に入っており、また世界で0歳から14歳児の50万人以上が感染していると推定されています。
宮野先生は発展途上国を中心に国際保健医療の課題解決に長年ご尽力されており、興味深いお話となっております。
講 師:宮野真輔 国立国際医療研究センター国際医療協力局
テーマ:結核:その終焉(End TB)をめざした動向と課題
日 時:2023年04月20日(木)14:00~15:30 オンライン(Zoom)
司 会:池上清子 公益財団法人アジア人口開発協会専務理事、アフリカ協会理事
- 03月29日
- 第5回 ロシアとアフリカ
「ロシアとアフリカ」
1)ロシアの対アフリカ関与の歴史
2)ワグナルの存在
3)おわりに
講 師:片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
テーマ:「ロシアのウクライナ侵略とアフリカ諸国」
機関紙「アフリカ」に掲載されているアフリカ・ニュース解説をその後の状況推移も含め、詳細に解説いたします。
日 時:2023年3月29日(水)午後14時より15時30分
司 会:片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
- 03月14日
- 野口英世アフリカ賞受賞者講演会
アフリカにて黄熱病研究に生涯を奉げた野口英世博士を称え、アフリカで蔓延する感染症等の疾病対策に大きな業績を上げた個人や団体を顕彰する目的で2006年に創設された「野口英世アフリカ賞」ですが、2022年TICAD8にて第4回授賞式が行われました。
今回、受賞されました2組・4名の方々が日本政府の招待により来日された機会を捉え、当協会では下記内容にて、講演会を開催致します。
講 師:医学研究分野受賞者
サリム・S・アブドゥル・カリム博士、カライシャ・アブドゥル・カリム博士
医療活動分野受賞者・カーターセンター
アダム・ウエイス氏(ギニア虫撲滅プログラム・ディレクター)、メ-ガン・マーツ氏(シニアアソシエイト・ディレクター)
テーマ:野口英世アフリカ賞受賞者講演会~アフリカ保健医療の現場から~
日 時:2023年3月14日(火)午後14時から16時予定
主催:一般社団法人 アフリカ協会
共催:内閣府野口英世アフリカ賞担当室
後援:公益財団法人 アジア人口・開発協会(APDA)
司 会:池上 清子(アフリカ協会理事)
コメンテーター:尾身 茂(結核予防会理事長)、迫田朋子(ジャーナリスト、元NHK解説委員)
歓迎挨拶:
武見敬三 参議院議員
野口英世アフリカ賞紹介:胡摩窪淳志(内閣府野口英世アフリカ賞担当室長)
閉会の挨拶:草賀純男(アフリカ協会理事長)
- 02月24日
- 学術研究会 第5回研究発表会
気候変動により干ばつ、洪水などの災害がアフリカで頻発するようになってきている。これらの災害はどの程度、アフリカに影響を与えているのだろうか。また、援助はそれに対して有効に支援できているのだろうか。また、アフリカが今後成長するには産業の育成が重要になってくるが、こうした環境とのバランスはどうしていくべきなのか。カイゼンは有効なのだろうか。アフリカにもAIの影響は及ぶのだろうか?本講演ではこうした点について分析結果をもとに議論をしていくものである。
講 師:島田 剛 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授
テーマ:「気候変動時代にアフリカへの援助は有効か ― 災害、雇用、カイゼン」
日 時:2023年2月24日(金) 14時00分から15時30分
司 会:青木一能 アフリカ協会学術研究委員会委員長(日本大学名誉教授)
- 01月19日
- 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第5回講演会
今回は国立国際医療研究センター熱帯医学・マラリア研究部長である狩野繁之先生にお話を伺います。
HIV/AIDS、肺炎とならぶ世界3大感染症の一つであるマラリアは、熱帯から亜熱帯にかけて広く分布するマラリア原虫によって引き起こされる感染症ですが、WHOの統計によると2020年には
2億4千万人が発症し62万7千人が死亡していると推計されています。
サハラ以南のアフリカは、最も重いマラリアの負担を抱えており、2020年にはマラリアの全症例の約 95 % 、全死亡者の 96 % を占めています。この地域の死亡者の約 80 % は 5 歳以下の
子どもたちとなっています。
最近は温暖化の影響で、媒介蚊の寿命が伸びたりマラリア病原体の活性化が進むと言われています。地球温暖化の問題とも密接な関係を持つマラリアに関しての注目すべき講演であり、多数の皆様のご視聴を期待しております。
講 師:狩野繁之 国立国際医療研究センター 熱帯医学・マラリア研究部長
テーマ:マラリア-2030年までの排除への課題
日 時:2023年01月19日(木)14:00~15:30 オンライン(Zoom)
司 会:池上清子 長崎大学熱帯医学・グローバルへルス研究科客員教授、アフリカ協会理事