フォーラム
2022年

第1回大使を囲む懇談会開催

  • 加藤駐ブルキナファソ大使を囲む懇談会
  • 第1回 加藤駐ブルキナファソ大使を囲む懇談会

    4月15日午後、国際文化会館会議室において、加藤正明駐ブルキナファソ大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者19名、オンラインによる出席者19名)。先ず加藤大使より、同国を理解するには、同国だけではなく、西アフリカ・マグレブ諸国を全体的に俯瞰する目で、周辺国との関係や、地域としての平和と安定について考えるとともに、その中で個別に同国について掘り下げて考える態度が重要と思われる、と前置の上、今年1月に武力による政変が起こり、反乱軍のダミバ中佐を中心に移行憲章の起草・署名、暫定大統領への就任、暫定政府の組閣などが実施されたが、この政変を国民は概ね受け入れた、民主的な選挙実施までの移行期間を36か月として、その間にテロ対策、ガバナンス改善、国民和解などを推進することを目指しているが、テロによる攻撃は収まらず、国内避難民も増え続けている、食糧価格は高騰を続け、国民の生活は苦しい状況である、ECOWASは新政権との協議を続け、直面する危機解決には寄り添うが、移行期間を36か月としていることには懸念を示している、同国は内陸国であり、鉱物資源も限られ、厳しい自然環境であるが、国民性は勤勉・誠実かつ、民族や宗教に対し寛容であり、開発の潜在性を有しているとみられる、開発のカギは約2.9%(2020年)という、高い人口増加率であり、適切な人材育成が行われるならば、将来の発展の原動力となりうることが予測される。同国の発展のためには、域内市場の活用、産業の高付加価値化などが必要であろう、農牧畜部門では、農牧業の生産性向上、バリューチェーンが課題、金・マンガンを中心にする鉱業部門のGDPにおけるシェアは、約15%であるが、治安問題は障害の一つである、インフラ部門では、教育インフラ(識字率)は40%弱であり、その他保健インフラ、水インフラ、衛生インフラ、道路・電力などの主要インフラのさらなる開発が望ましい、今後はソフトパワーの活用(文化・スポーツ)も期待されることなどについて、説明がありました。

    次いで出席者から、同国の治安状況と製造業などにおける労働者の質はどの程度か、同国からゴマを輸入しているが、農業開発に政府はどのくらい力を入れているのか、同国の開発に関する日本政府の基本的な態度はどのようなものか、
    また、同国において今年クーデタで新政権が誕生したが、新政権を日本は承認したのか?アフリカには他にも内陸国が多いが、治安や産業開発の点で、内陸国であるが故の困難点などもありうると思われるところ、同国のこれからの開発の筋道を、どのように見ているか?TICAD6において、西アフリカにおける主要な回廊として3つの回廊に関する開発計画の重要性が指摘されたが、現在同計画は、具体的に開発が進んでいるのか?JICAが内陸国の農業開発の将来性について調査した折、ブルキナファソについては大豆生産が重要という話があったが、その後の状況はどうか、旧宗主国である仏との関係はどのようなものか、また仏は同国の主要インフラ開発を手掛けているのか?同国内において、宗教や部族の違いは深刻な問題を生じているのか?車以外に同国に浸透している日本製品はあるか?などの質問が出されました。また、質問以外では、「建築界のノーベル賞」と言われるプリッカー賞の本年度受賞者が3月15日に発表されたが、受賞者はブルキナファソ出身の建築家であるディエベド・フランシス・ケレ氏であることが、出席者より情報の共有として紹介されました。


第16回大使を囲む懇談会開催

  • 堀江前・駐ケニア大使を囲む懇談会
  • 第16回 堀江前・駐ケニア大使を囲む懇談会

    2月15日午後、国際文化会館会議室において、堀江良一前・駐ケニア大使を迎え、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者15名、オンラインによる出席者25名)。

    先ず堀江大使より、同国の概要について、東アフリカに位置する安定勢力であり、1963年に英国から独立して以来、周囲の国には政治的に不安定な国もあったが、同国はこれまで一度もクーデター等による政変は無く、選挙で指導者を選出してきた、現在は第2次ケニヤッタ政権が「統一、経済、開放性」の3原則のもとに新たな国造りに取り組んでおり、今年8月に次回大統領選挙を迎える予定、従来農業、観光業を中心に堅実に成長しており、輸出は紅茶、切り花などの一次産品が全体の約45%を占めている他、東アフリカ最大のモンバサ港を擁し、同地域のハブとして、高い経済成長の可能性を秘めている(近年の経済成長率は年平均5~6%台)、対日関係は、同国はインド洋に面する東アフリカの玄関口であり、日本が「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進する観点から重要であり、同国はわが国の対アフリカ外交における重点国となっている、アフリカの3大重点地域の1つとして、ケニアを含む「東アフリカ北部回廊」を日本は重視し、TICAD7時の首脳会談で、安倍総理(当時)はモンバサ経済特区開発やモンバサゲートブリッジ建設計画を通じて、モンバサ地域の開発を支援する意向を表明した、2017年までのわが国の同国への経済協力実績は約6,600億円で、サブサハラ・アフリカの中で第1位である、最近は日ケニア官民連携の取り組みが進められており、日ケニア・ビジネス対話を推進してきた、同国の債務状況は増加傾向にあり、特に中国を債権者とする債務の増加が著しい、今後の予定としては、今年8月に大統領選挙及び地方選挙が行われる予定であるが、ルト現副大統領が大統領選挙に出馬することが予測されており、野党からはオディンガ元首相が出馬すると予測されていることなどについて、説明がありました。(また同国でのコロナ感染状況については、2020年3月から6回の波に襲われたが、その都度夜間外出禁止令を出すなどの措置により、医療関係の逼迫という事態には至っておらず、また死亡者も少ない、2月2日の成人のワクチン(2回)接種率は22.9%であり、現在の対策は外出時のマスク着用とワクチン接種証明の携行義務等。)

    次いで出席者から、今後同国の経済発展をけん引するのは、製造業,ICT、観光業などのうち、どのような分野になると思われるか、ODA案件実施の上で必要となる機材等の免税措置が守られない場合があるが、どのようにして免税措置の順守をケニア側に徹底させるべきか、今年8月の国政・地方選挙の結果いかんにより、従来の政権が約束してきた事項が次の政権により守られないことにならないか、不安があるが、どのように考えるか、中国が新たに建設した、モンバサ―ナイロビ間の鉄道(SGR)の評判はどうか、部族対立を避けるとリーダーが約束しても、アフリカ諸国には長く続いてきた、一種の「パトロネッジ・システム」が働くことが多いと思われるところ、右についてどのように考えるか?同国が部族対立等を抱えつつも、東アフリカの安定勢力としてこれまで発展してきた要因をどう考えるか、などの質問がありました。


アフリカの感染症を知る」シリーズ第1回講演会

  • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第1回講演会
  • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第1回講演会

    1月27日午後、文化・社会委員会の主催により、新しく始まった「アフリカの感染症を知る」シリーズの第1回“顧みられない熱帯病を中心に”をオンラインで開催しました。
    講演者:金子 聰 長崎大学熱帯医学研究所教授
    司会: 池上清子 長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科教授
               アフリカ協会理事(文化・社会委員会委員長)
     従来「アフリカから学ぶ」シリーズとして音楽や食文化などアフリカの社会・文化に関するさまざまなテーマを取り上げてきましたが、今回から新しく保健・衛生面を捉え「アフリカの感染症を知る」シリーズとして企画しました。新型コロナの感染拡大が世界の大きな問題となっている現在では最も興味ある話題であるためか、皆様の関心は大変高く、66名の多数の方々が視聴されました。
    金子教授による講演では、本シリーズの皮切りとして113ページに及ぶ膨大な資料を中心に、アフリカにおける熱帯病の数々をご紹介頂きました。
    視聴者よりは、長崎大学で熱帯医学研究が発展してきた歴史的経緯、江戸時代の蘭学研究との関係、研究としての現在の取り組み、トラコーマの日本での症例など質問のほか、感染症が如何に多いかを改めて知ったなどの感想もありました。


第15回大使を囲む懇談会開催

  • 江原駐モーリタニア大使を囲む懇談会
  • 第15回 江原駐モーリタニア大使を囲む懇談会

    2月4日午後、国際文化会館会議室において、江原功雄駐モーリタニア大使を迎え、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者8名、オンラインによる出席者14名)。先ず江原大使より、人口約480万人の同国は中東・マグレブ地域、サヘル5か国、西アフリカのブリッジ・交差点に位置し、地政学的に重要であること、人口のほぼ100%がイスラム教徒であり、また現政権は安定しており、治安は良好であり、国民性も温和であることなどから、発展の可能性があること、現在のガズワニ政権はポスト・コロナに向けての国民経済の再生等を目指しており、外交面では、同国は特に敵を持たず、このため有事の際の地域のバランサーとして活躍してきたこと、特にG5サヘルについては設立を主導し、事務局もヌアクショットにある、日本との関係は良好であり、漁業、貧困削減と都市開発、平和と安定を日本としては同国の開発協力の3つの柱としてきたところ、同国としては日本からの投資促進を強く希望している、新型コロナウィルス感染症の感染状況はこれまで1~3波を記録したが、現在は落ち付いており、ワクチン接種なども進められている、日本はこれまで無償の「経済社会開発計画」,「UNICEFを通じた緊急無償」、その他技術協力の実施等により本件に協力してきた、この間コロナ禍の下にあっても、同国の経済は成長基調を維持してきた、経済・投資面では、一次産品輸出に依存した経済構造であることから、製造業の育成が課題である、同国とセネガルとの国境沖の海底ガス田開発が現在進んでおり、その他鉱物資源開発分野でも鉄鉱石、金などを生産している、投資環境の整備については、経済インフラのさらなる開発の必要があることなどについて、説明がありました。
    次いで出席者から、同国への日本からの直接投資に際して、ローカル・コンテンツや現地人雇い入れ、外貨送金等についての厳しい規制があるか否か、2024年に予定される国政選挙へ向けての準備状況はどのような状態か、また経済面では、IMFの同国への支援はいかなるものか、同国のセネガル国境沖の海底ガス田開発について現況をさらに詳しくお聞きしたい、天然ガス開発の際、環境問題や漁業との折り合いをどうやってつけていくのか、同国のタコは日本に非常に多く輸出されているが、イスラム教の教えにより同国人はタコを食さないのか?日本側では、海水の浄化設備やゴミの焼却炉に詳しい業者が多数存在するが、それらの分野について同国のニーズはどのくらいあるか、現在建設中の同国とセネガルを結ぶ橋が竣工すれば、単に2国間の物流が改善されるのみならず、周辺国にも大きな影響・利益が見込まれるのではないか、などの質問やコメントがありました。


第14回大使を囲む懇談会開催

  • 樋口駐マダガスカル大使を囲む懇談会
  • 第14回 樋口駐マダガスカル大使を囲む懇談会

    1月25日午後、国際文化会館会議室において、樋口義広駐マダガスカル大使を迎え、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等から出席者計13名、オンライン参加者19名)。先ず樋口大使より、世界で4番目の大きさの島である同国は、豊かな自然と潜在性を有しており、また東部・南部アフリカへの玄関口に位置し、自由で開かれたインド太平洋の観点からも戦略的に重要な国であるが、経済的には最貧国であり、保健、教育、インフラ等の社会・制度基盤はぜい弱である、南部では干ばつと食料危機が起きている,新型コロナへの対応は、同国のさまざまな脆弱性が集約的に発現されており、基礎医療体制の強化が大きな課題となっている、現状ではコロナ対策ワクチンの接種率は約3%に過ぎず、ワクチン接種の拡大がカギとなっている(現在は1週間の新規感染者数は約1,500人であり、コロナによる累計感染者は約57,000名,死者数の累計は約1,200名)、コロナ関係では、日本は医療関係機材の供与を実施、内政面では2018年11月から12月にかけて大統領選挙が実施され、2019年1月ラジョリナ元暫定大統領が大統領に就任した、政府は観光業や農業食品産業等の振興を目指しており、労働人口の約74%が農業に従事するが、GDPに占める農業の割合は23%と低く、コーヒー、バニラ、クローブが主要換金作物、持続的かつ公平な開発の実現が最大の課題、対日関係は良好であり、2017年、ラジャオナリマンピアニア大統領(当時)が、公式実務賓客として訪日した他、2019年のTICAD7にはラジョリナ大統領が出席した、2022年は外交関係60周年友好年,経済面では、貿易・投資とも基本的に低調なるも,日本、カナダ(後に撤退)、韓国が参加して始まったニッケル・コバルト鉱山投資事業である「アンバトビー・プロジェクト」が、日本企業が参画するアフリカ最大規模の鉱業投資事業として、約9,000名のマダガスカル人雇用や外貨獲得等を通じて、同国経済に貢献している,トアマシナ港拡張事業(円借款450億円)を始めとして多くのODA協力を実施している,今後の見通しとしては、2023年の次回大統領選挙の帰趨はまだ不透明な状況にあるが,貧富の格差の拡大を食い止め、トリクルダウン効果を実現して持続可能な経済社会開発を進めることが課題となろう、などの諸点について説明されました。

    次いで出席者より、アンバトビー・プロジェクトの安定的な操業と発展が望ましいが、同国政府の対応如何、次期大統領選挙への野党の準備状況はどのようなものか、1942年5月の同国北部ディエゴ・スアレス海戦の例に見られるように,同国の地政学的な重要性如何、今年開催予定のTICAD8へ向けての同国の関心度如何、今後同国に日本のビジネスが入っていくとしたら、どのような分野が適していると思われるか、在マダガスカル日本大使館の兼轄国である、コモロ連合共和国の概観如何、などの質問やコメントが出されました。


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