フォーラム
2022年

第3回大使を囲む懇談会開催

  • 丸橋駐アンゴラ大使を囲む懇談会
  • 第3回 丸橋駐アンゴラ大使を囲む懇談会

    6月2日(木)午後、国際文化会館会議室において、丸橋次郎駐アンゴラ大使をお迎えし、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者13名、オンラインによる出席者16名)。
    先ず丸橋大使より、同国の人口は約3,287万人、面積は約124.7万平方キロ(日本の約3.3倍)であり、名目GDPは約584億ドル(2020年、世銀)、主要輸出先は中国、インド、米国、ア首連他、輸入先は中国、ポルトガル、インド他となっている、対日輸入は約32.8億円(機械類、自動車、ゴム製品等)、対日輸出は約1.9億円(アルミニウム、製材等、2020年)、日本からの進出企業は2021年10月現在9社である、との説明があった。その中で、高い人口増加率(年100万人程度増加)と若い人口構造(14歳未満が50%近い)、経済面での大きな中国依存、及び日本のプレゼンスが小さいことが強調された。
    政治面では、独立後もMPLAとUNITAの間で続いた内戦の和平から20年経ち、国民和解・国家再建が着実に進展し、政治的安定も実現した。内戦による大きな負の遺産として、現在働き盛りである30、40代が十分な教育を受けられなかったことである。今年8月に総選挙を実施する予定であるが、過去3回の選挙結果は、与党MPLAが毎回第一党の地位にあるものの、野党の中で第一党のUNITAが少しずつ票を伸ばしてきた。MPLAの苦戦は予想されるも、現在のところ、MPLAが引き続き第一党となるとみられる。
    経済面では、2016年からマイナス成長が続いていた実質GDP成長率が昨年度からプラス成長に転じているが、石油・ガス依存の産業構造(GDPの28.9%)の多角化が、アンゴラ経済にとっての大きな課題である。
    経済協力から見た日・アンゴラ関係では、母子健康手帳、小学校建設、地雷除去、地上デジタルテレビ放送マスタープラン策定への協力、ジョジナ・マシェル病院整備、ワクチン保管・管理・供給のためのコールド・チェーン整備支援供与などが最近の主なものであり、民間での協力としては、繊維工場リハビリ、難民支援(衣料品の供与)、同国とブラジルを結ぶ光海底ケーブルの敷設他がある。現在、鉱物資源探査での技術協力が行われており、将来日本にとりレアアースも含め重要な鉱物資源供給先の一つになるかもしれない。持続可能な発展には教育が不可欠であり、この分野での官民両面での関係強化が有意義。アンゴラの日本に対する期待は大きいが、中国はじめ他国の動向を踏まえると、なるべくスピード感を持つ実施が望まれる、民間投資促進の観点からは、現在交渉中の投資協定の締結が期待される、などの諸点について、説明がありました。

    次いで出席者から、日本が同国の電力事情改善のために何かできるとしたら、どの分野が考えられるか、NECによる光海底ケーブル敷設案件の背景はどのようなものか、アンゴラでも良質のスタートアップ事業があるか?「丸紅による繊維工場のリハビリ案件」はその後どうなったのか、未だ同国では繊維製品の輸入が多いと聞くが、この工場の稼働により現地の雇用状況が改善され、良質の繊維製品が市場に出回ったのか?光ケーブル敷設案件では、ポルトガルによる特別の協力があったのか?またアンゴラと旧宗主国であるポルトガルの現在の関係はどのようなものか、UNIQLOによる同国内の難民への支援の話があったが、同国にはまだ国内難民がいるのか?(右への回答は、これはアンゴラ人ではなく、同国に居住するコンゴ(民)からの難民であるとのこと)、同国との、特に鉱産資源の運輸をめぐる周辺国との関係はどのようなものか?ベンゲラ鉄道、ロビト回廊などの使用状況はどうなっているか、ロシアによるウクライナ侵攻の後、3月の国連総会におけるロシア非難決議採択時、アフリカはエリトリア(反対)を除き、賛否が分かれ、アンゴラは棄権したが、その背景事情はどのようなものか?などの質問がありました。


チャレンジ企画第6弾!
「オンライン対談シリーズ “Proudly from Africa
  〜 アフリカのロールモデルの話を聞く” 」

  • ■日 時: 2022年6月30日(木)20:00〜21:00
    ■配信方法: Facebookライブ
    ※アフリカ協会のFacebookページを?いただけると、当日配信開始時に通知が
    入ります。
    ■参加費: 無料
    ■<第6回テーマ>Made in Eswatini
    古紙アップサイクルジュエリー
    ■ゲスト:Doron Shaltiel & Jabu Mdlovu,
    アップサイクルジュエリーブランド
    QUAZI DESIGN
    ■内容:
    南部アフリカのエスワティニ(旧スワジランド)で2009年に創業された
    ブランド。現地出版社とクリエイティブディレクターDoronの発案で、
    持続可能な発展とソーシャルインパクトのために、新聞紙や雑誌などの
    古紙からアクセサリーやインテリア商品などを、一つ一つ手作りで生み
    出しています。作り手の女性達の多くは以前は無職でしたが、QUAZI
    DESIGNで正式に雇用されることで、安定した収入を得、家族を養えるよう
    になりました。創業から今に至るまでの哲学や、今後叶えていきたい夢に
    ついてお話を伺います。
    ■ナビゲーター兼通訳:株式会社SKYAH代表 原ゆかり
  • チャレンジ企画第6弾!
    「オンライン対談シリーズ “Proudly from Africa 〜 アフリカのロールモデルの話を聞く” 」
    アフリカ協会のチャレンジ企画としてお届けするオンライン対談シリーズ
    “Proudly from Africa 〜 アフリカのロールモデルの話を聞く” (視聴無料)。
    アフリカのデザイナー、メーカー、起業家、コミュニティ開発当事者などの
    現地のロールモデルをオンラインでゲストとして招待し、一時間の対談機会を通じ、
    日本ではまだまだ知られていないアフリカ地場発の取り組みや彼らの想い・考えを
    深掘りします。
    Facebookライブのコメント欄に皆様からいただく質問にも、リアルタイムでゲスト
    にお答えいただきます。
    皆様ふるってご参加下さいますようご案内申し上げます。

  • 学術研究会 第2回研究発表会

    • 学術研究会 第2回研究発表会
    •           学術研究会 第2回研究発表会

      4月28日午後、アフリカ協会主宰第2回学術研究会を開催致しました。
      報告者:傅凱儀准教授(専修大学経済学部国際経済学科)。
      テーマ:「ナイジェリア・中国関係の考察-主に開発支援の観点から」
      傅准教授は出身地・香港の中文大学工商管理学院を卒業後来日し、早稲田大学大学院修士課程を経て東京大学大学院総合文化研究科博士課程を修了(学術博士)。一貫して開発途上諸国とりわけナイアジェリア農業について現地調査を踏まえて研鑽を積み、現職に至っております。

      概要は、機関紙「アフリカ」夏号にて報告しておりますのでご参照願います。
      また、講演内容は当協会HPに掲載しておりますのでご覧ください。


    アフリカの感染症を知る」シリーズ第2回講演会

    • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第2回講演会
    • 「アフリカの感染症を知る」シリーズ 第2回講演会
                      
      アフリカ協会文化・社会委員会主催「アフリカの感染症を知る」シリーズの第2回講演会のご報告です。
      第1回は長崎大学金子聰先生による“アフリカの顧みられない熱帯病”を中心とする講演でしたが、第2回目は致命率が高く且つ血液・体液を通じて人に感染し広く流行するエボラ出血熱に関しての講演となります。過去コンゴ民主共和国を始め西アフリカを中心に何度も流行を繰り返し、現在もその危険性が懸念されている熱帯病であるエボラ出血熱撲滅に向けての闘いは大変興味深い講演となりました。

      概要は、機関紙「アフリカ」夏号に掲載致します。また協会HPにて講演内容を視聴できますので、ご参照願います。

      概要
      日時: 2022年4月19日(火) 14時から15時30分
      場所: オンライン(ZOOM)
      テーマ: エボラウイルス病との闘い~コンゴ民主共和国にて
      講演者: 仲佐 保    NGO国際保健協力市民の会=シェア 合同代表
      司会:  池上清子    長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究会教授
                    アフリカ協会理事、野口英世アフリカ賞選考委員

      プログラム

       14時00分   開演
       14時00分   開催挨拶・講師紹介(池上清子委員長)
       14時10分   講演       (仲佐保合同代表)
       15時00分   質疑応答     (司会:池上清子委員長)
       15時30分   終了


    オンライン・アフリカ講座第2回開催

    • オンライン・アフリカ講座第2回
    • オンライン・アフリカ講座第2回 

      機関誌「アフリカ」掲載の“アフリカ・ニュース解説”にさらなる詳細な解説及びその後の推移を報告するオンライン・アフリカ講座の第2回です。
      今回は、機関紙「アフリカ」冬号で解説頂いた「アビィ・アハメド首相とティグライ戦争」に関して、早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治先生に伺いました。

      日時: 2022年3月25日(金) 15時より16時30分
      場所: オンライン方式(ZOOM)(視聴者48名)
      講師: 片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
      テーマ:「エチオピア:アビィ・アハメド首相の戦争」

      講演内容は、協会HPにてご覧いただけますので、ご参照願います。


    第2回大使を囲む懇談会開催

    • 松原駐ギニア大使を囲む懇談会
    • 第2回・松原駐ギニア大使を囲む懇談会

      5月31日午後、国際文化会館会議室において、松原英夫駐ギニア大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者13名、オンラインによる出席者15名)。

      先ず松原大使より、同国の近況について、国土面積は約24.6万平方キロメートル、人口は約1,313万人で1人当たりGNIは1,020米ドル(2020年度世銀)であり、民族はプル族(約40%)、マリンケ族(約35%)、スス族(約15%)が主なものである。
      ギニアでは1958年の独立後、セク・トゥーレが初代大統領に就任(26年間統治)、トゥーレ大統領の死後クーデターによりランサナ・コンテ大統領が政権を掌握したが(24年間統治)、コンテ大統領の死後、森林ギニア地方出身のダディス・カマラ大尉のクーデターによる約1年間の軍事政権とセクバ・コナテ暫定大統領による約1年の暫定政権を経て、アルファ・コンデが民主的選挙により大統領に就任し約12年間政権の座にあったが、昨年9月、軍の一部によるクーデタにより失脚し、ドゥンブヤ大佐が暫定大統領として政権を掌握し現在に至っている。
      今回の政変に伴い、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)及びアフリカ連合(AU)はギニアを資格停止処分とし、早期の移行プロセスの提示と実施を求めているが、同国の国民議会の機能を担う暫定国民委員会(CNT)は5月11日に民政への移行期間を36ヵ月(3年)とする民生化に向けたプログラムを発表しており今後の国際社会の反応を注視しているところである。今後の暫定政権の課題は、野党との政治対話の実施、移行プロセスにおける憲法改正国民投票、地方選挙、国民議会選挙及び大統領選挙までの具体的なタイムテーブルを示すことが重要視されている。
      経済面では、同国はボーキサイト、鉄鉱石他の豊富な鉱物資源に恵まれているが、国民の多くは非鉱山分野の仕事に従事し貧困層が多い。ボーキサイトの埋蔵量は世界一であり、ギニアは中国が輸入するボーキサイトの53%を供給している、その他鉄鉱石と金も埋蔵しているが、鉱山分野から適切な税収を得ていない可能性があり、鉱物資源輸出に伴う国民への利益の適正な分配が課題となっている。債務リスクは中程度である。
      農業面では独立時にはバナナを始めコーヒー、ピーナツ、パーム油などの農作物が主要輸出品目であったが、独立後は鉱物輸出が主体となり、農産物輸出の割合は減少し輸出から自給農業へと農業活動の低調が続いている。
      インフラ整備について、特に道路整備状況は遅れており、主要国道の内の舗装道路の割合は7%に過ぎない。電力普及率は約25%と低く、都市部でも停電が頻発しているが、中国が建設したダムにより、発電能力は増加した。教育・保健分野は開発を進める必要がある。保健システム、特に緊急時の感染症対策は遅れており、開発が急務。日本は新型コロナウィルス対策のため、2国間、多国間、草の根支援等のスキームによりギニアの能力強化とワクチン接種拡大のための支援を行っている。現状では新型コロナウィルス及びウクライナ情勢による先物価格の上昇及び食料の安全保障の悪化などが懸念されている、等について説明がありました。

      次いで出席者から、暫定国民委員会(CNT)は民政化への移行期間を36ヶ月(3年)としているそうだが、その間は政府承認問題が生じている思われるが、このような環境の中、日本としては、人道支援以外の開発援助をどの程度実施することが可能か?中国は水力発電所建設計画(ダム)などを実施中ということだが、現在同国の電力会社は、消費者からの適切な料金徴収作業等、きちんと運営されているのか?自社製品を近隣のマリ、セネガルなどにはマーケティングを行い、普及させているが、ギニアに対して同様(対ギニア政府に対し)のことができるか?通常クーデターが起きると、市街戦による死傷者が出たり、略奪が行われたりして市民生活に混乱が生じることが多いが、ギニアの場合は(特に昨年の例)無血で遂行されたのか?日本政府による同国への渡航情報は現在どの程度か?などの質問が出されました。


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