学術研究会 第3回研究発表会
- 学術研究会 第3回研究発表会
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学術研究会 第3回研究発表会
8月2日午後、アフリカ協会主宰第3回学術研究会を開催致しました。
報告者:高橋基樹 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科教授
(神戸大学名誉教授)
テーマ:「ポスト高度経済成長期のアフリカ経済と構造転換に向けた課題」
高橋教授は神戸・京都大学でアフリカ開発に関し長年ご研究をされており、日本アフリカ学会や国際開発学会でもご活躍されていらっしゃいます。本講演では、アフリカ経済は独立以降2003年頃までの長期低迷期から一転し、約10年間高度経済成長期を迎えたが、その後は再び低迷期に入っている。この原因をアフリカ諸国の経済の構造にあると捉え、持続的、生産的、包摂的な開発のためには産業構造を転換し、インフォーマルな部門を振興させるべきである、等の示唆に富んだお話を伺いました。
概要は、機関紙「アフリカ」秋号にて報告しておりますのでご参照願います。
また、講演内容は当協会HPに掲載しておりますのでご覧ください。
アフリカの感染症を知る」シリーズ第3回講演会
- 「アフリカの感染症を知る」シリーズ第3回講演会
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「アフリカの感染症を知る」シリーズ 第3回講演会
アフリカ協会文化・社会委員会主催「アフリカの感染症を知る」シリーズの第3回講演会のご報告です。
前回、第2回目は致命率が高く且つ血液・体液を通じて人に感染し広く流行するエボラ出血熱に関してNGO国際保健協力市民の会=シェア合同代表の仲佐保先生にご講演頂きました。第3回目は、流行が始まってから3年近く経過しているにもかかわらず、変異を繰り返し世界中で未だに猛威を奮っているCOVID-19に関しての講演をグローバルヘルス技術振興基金CEOの國井修先生にお願い致しました。COVID-19の影響は世界の経済に大きな打撃を与えていますが、それ以上にアフリカへの影響は非常に大きなものでした。概要は、機関紙「アフリカ」秋号に掲載致します。また協会HPにて講演内容を視聴できますので、ご参照願います。
概要
日時: 2022年7月14日(木) 14時から15時30分
場所: オンライン(ZOOM)
テーマ: COVID-19がアフリカに与えたもの
講演者: 國井 修 グローバルヘルス技術振興基金CEO
司会: 池上清子 長崎大学大学院客員教授、アフリカ協会理事、
野口英世アフリカ賞選考委員
プログラム14時00分 開演
14時00分 開催挨拶・講師紹介(池上清子委員長)
14時10分 講演 (國井修グローバルヘルス技術振興基金CEO)
15時00分 質疑応答 (司会:池上清子委員長)
15時30分 終了
オンライン・アフリカ講座第3回開催
- オンライン・アフリカ講座第3回
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オンライン・アフリカ講座第3回
機関誌「アフリカ」掲載の“アフリカ・ニュース解説”にさらなる詳細な解説及びその後の推移を報告するオンライン・アフリカ講座の第3回です。
今回は、機関紙「アフリカ」春号で解説頂いた「ブルキナファソにおけるクーデターとサヘル危機」に関して、早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治先生に伺いました。日時: 2022年7月15日(金) 15時より16時30分
場所: オンライン方式(ZOOM)(視聴者36名)
講師: 片岡貞治 早稲田大学国際学術院 教授
テーマ:「ブルキナファソにおけるクーデターとサヘル危機」講演概要は、機関紙「アフリカ」秋号にて報告いたしますが、講演内容をご視聴されたい方々は協会HPにてご覧いただけますので、ご参照願います。
第5回大使を囲む懇談会開催
- M望月駐ガーナ大使を囲む懇談会
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第5回・望月駐ガーナ大使を囲む懇談会
6月17日午後、国際文化会館会議室において、望月寿信駐ガーナ大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者19名、オンラインによる出席者17名)。
先ず望月大使より、ガーナ勤務は2回目であり、平成21年から3年余同国で勤務した経験があるが、その時に比べて首都の道路状況やビルなどが格段によくなっており、また社会面では婦人が以前よりも頭髪や服装によりお金を使っているなどの変化が見られる。ガーナも新型コロナ禍に見舞われたが、今は一段落している印象であり、一般には「コロナは終わった」という雰囲気がある(なおガーナでは野口研が今回の新型コロナの診断と治療に大きな役割を果たした)。ガーナは1957年に独立し、1980年代までは多くのクーデターを経験したが、1993年の民政移管後は4年ごとの大統領選挙を大きな混乱無く実施し、この間3度にわたる選挙による政権交替を経るなど、政治的・社会的安定を保ってきた。経済面では現在の1人当たりGNIは約2,500ドル弱であり、中所得国に分類される。また2007年に沖合油田が開発され、生産は2015年に開始された。2019年の経済成長率は6.48%、人口は10年前は2,300万人であったが、現在は約3,100万人。世銀「Doing Business」はガーナをアフリカで7番目としている。仏語国が多い西アフリカにおいて、ガーナはビジネスのハブとして成長することが期待され、現在ガーナに進出している日本企業は22社。日本企業の進出を後押しする好要因は、同国の治安と政治的安定、親日的でありビジネス環境が整っていること、石油、ガス、鉱物資源等の天然資源に恵まれていること、同国がECOWASやAfCFTAにおいて主導的役割を果たしていること等である。
今後日本企業の進出が期待される分野は、エネルギー、製造業・農業、保健・医療、工業関連等とみられる。留意すべき点は、同国の経済成長が回復基調にあるものの、公的債務の増大やインフレ、2024年の大統領選挙及び議会選挙等が考えられる。今後の更なる日本企業の進出に向けた取組としては、大使館におけるサポート、日・ガーナビジネス促進委員会の活動等がある、等の説明がありました。次いで出席者から、2018年に米国のイニシアチブにより、同国の配電網を抜本的に拡充する計画が示されたが、その計画はその後進んでいるか?今後無償または円借で、同国の電力分野の開発計画を行う可能性はあるのか?また、貴大使館が兼轄しているリベリアとシエラレオネのインフラ開発の概況も知りたい、2019年にジェトロはルワンダ又はガーナにオフィスを新設するとして、考慮の結果ガーナに新設したわけであるが、ガーナで現在ジェトロは十分活発に仕事をしているのか?ガーナは先年石油産出国となったが、石油の富により潤う人とそうでない人の格差が生じる結果となる例が多いところ、ガーナではどうか?開発がまだ同国では都市部に偏っている感があるが、地方の振興が活発になされているところはあるのか?軍人から国政の中枢に就いた故・ローリングス元大統領は、現在のガーナにおいてどのように評価されているのか?などの質問や意見が出されました。
第10回在京大使との懇談会開催
- エルーミ在京チュニジア大使との懇談会
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[Economic and business opportunities in Tunisia, host of the TICAD8 Summit]
10th Country―Study Meeting with His Excellency Mr. Mohamed ELLOUMI, Ambassador of the Republic of Tunisia to JapanThe Society held its 10th Country-Study meeting on 16th June at the International House in Tokyo, with the presence of H.E. Mr. Mohamed Elloumi, Ambassador of the Republic of Tunisia to Japan. (Number of attendants: 20 persons)
The ambassador made his presentation as follows:
Tunisia has made a unique development by utilizing its privileged geographical location as the hub of the strategic area, at the centre of the Mediterranean ad half way between Europe, Africa and the Middle East. Within less than three hours point in order to develop strong partnership and cooperation in business relations with Europe, Africa and the Middle East. In the field of business, Tunisia is a signatory to 52 non–double taxation agreements and 54 bilateral agreements for the promotion and protection of investment. It is the first country in South Mediterranean to sign an FTA with EU in 1995. Out of Tunisia’s total volume of international trade, 63.5% is with the EU. It is also a member of the African Union(AU), the Common Market for Eastern and Southern Africa (COMESA) , and the Economic Community of West African States (ECOWAS). and has strong economic and trade relations with African countries.
Tunisia’s was the first constitution in the Arab world. Tunisia also was the first country in the Muslim world to officially abolish slavery at the end of the first half of the nineteenth century, between 1841 and 1846. Since independence in 1956, the government of Tunisia made efforts to develop free education and promotion of the right of women, and women were given equal status like men. Now school enrollment is 99% in Tunisia, and the number of universities in the country is more than 200, while the number of professional training centres are more than 1,000. There are more than 65,000 new graduates every year, with high levels of multilingualism. The 35% of those graduates are in the engineering and ICT fields. According to the “Bloomberg Innovation Index, 2020”, the
-greatest concentration of researchers of science among Arab and African countries is in Tunisia.Since establishment of bilateral relationship between Tunisia and Japan in 1956, the two nations have enjoyed good relations as reliable partners, and there have been constant exchange of high-level visits. Mr. Othman Jerandi, the Minister of Foreign Affairs of Tunisia, visited Japan in June this year. Joint Bilateral Committees have been constantly held by the two countries, the last one was held in February 2019. Japan. International Cooperation
Agency (JICA) has also played in important role since its inception in 1977, in various projects. There are 22 Japanese companies which are operational in Tunisia, and have opened 8.000 job opportunities in the country. The Japanese companies in Tunisia operate in the fields of electrical and electronic industries, mechanical, metallic and metallurgical industries, food and agriculture, textile, and others. The number of Tunisian companies operate in Japan is 6. As for the trade between Tunisia and Japan, export from Tunisia to Japan are tuna, olive oil, wine and others, while import by Tunisia from Japan are automobiles, machinery and others.,On July 16, 2020, after the discussion on the venue of the coming TICAD8 Summit, the governments of Tunisia and Japan officially and jointly announced the holding of the TICAD 8 Summit in Tunis in 2022. On that day the Ministry of Foreign Affairs of Japan announced that it will be held on 27-28 August in 2022, in Tunisia. Then a Presidential Decree was published in Tunisia on January 31, 2022 creating a National Committee to hold and organize the coming TICAD 8 Summit. And the Head of Government Najla Bouden Romdhane, chaired two meetings of national committees for the organization of the coming TICAD8 Conference. Ms. Bouden called on all ministries, structures and stakeholders to redouble their efforts so that Tunisia is fully prepared to ensure the success of the TICAD8 Summit.
The questions and comments raised by the participants from member companies are as follows;(1) There was an explanation on the status of women in Tunisia that women have equal rights as men. If a woman does the same job as her male counterpart, is the salary she gets as much as the one he gets?
(2) What are the major fields of the 22 Japanese companies which operate in Tunisia?
(3) What do you think of the fields which Japanese companies can join and operate in Tunisia in future? Which field of business will be found suitable for them?
(4) What have been the major fields which Japanese ODA has so far assisted in Tunisia?―モハメッド・エルーミ在京チュニジア大使との懇談会―
6月16日午後、国際文化会館会議室において、モハメッド・エルーミ駐日チュニジア大使をお迎えして、「TICAD8サミットの開催国であるチュニジアの経済とビジネス機会」と題して、同国の近況、特に経済状況と近く同国で開催される予定のTICAD8 について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者
20名)。先ずエルーミ大使より、以下のような説明があった。
チュニジアは、ヨーロッパ、アフリカと中東エリアに近いという地の利を生かし、同地域の経済のハブとしての発展を遂げてきた。欧州の主要都市とはいずれも3時間以内のフライトで移動可能で、上記エリアとの協力関係やパートナーシップを築くには、絶好の場所に位置している。
また経済面では、52ヵ国と二重課税防止条約を締結し、54ヵ国と二国間の投資協定を結んでいる他、1995年にFTA(自由貿易協定)を結んだEUは、現在対外貿易の63.4%を占めており、貿易上のつながりは大きい。
また同国はAUに加盟している他、COMESA及びECOWASの一員でもあり、アフリカ各国とは強力な経済・貿易関係を結んでいる。チュニジアは中東初の立憲国家であり、19世紀半ばにイスラムの国で始めて公式に奴隷制度を廃止した。
1956年にフランスから独立後は、教育の無償化及び女性の地位向上に務め、女性は男性と平等の権利を得るに至った。現在チュニジアにおける義務教育実施率は99%に達し、大学数は200以上、職業訓練センターは1,000以上存在する。
大学新卒者は毎年5.6万名おり、大学では多言語による教育が行われている。また大卒者の35%が理工科系統及びICT分野を学んでおり、「グローバル・イノべーション・インデックス2020」(Bloomberg)に、「中東・アフリカ諸国の中で、理系研究者が最も集中しているのはチュニジアである」と評された。
対日関係は良好であり、1956年の国交樹立後、両国は互いに要人の訪問を重ねており、今年6月にはオスマン・ジュランディ外相が来日した。
共同委員会も開かれている(直近では2019年2月に開催)。
またJICAもチュニジアの発展に重要な役割を果たし、1977年以来数多くの支援を続けている。
ビジネス分野では、現在日本から22社がチュニジアに進出しており、その結果約8千人の市民に雇用を提供している。
日本企業の進出分野は電気、機械工業、金属工業、食品・農業、繊維産業が中心となっている。
貿易面では、まぐろ、オリーブオイル、ワイン等を日本へ輸出しており、日本からは自動車、機械等を輸入している。
また現在6つのチュニジア企業が日本で活動を行っている。2020年7月16日、日本外務省は、TICAD共催者間の協議を経て、TICAD8が2022年8月27、28両日にチュニジアで開催されることが正式に決定したと発表した。
チュニジアにおいては2022年1月31日に発出された大統領令により、TICAD8サミットを同国で開催するための準備を行う国家委員会が設立された。
さらにナジュラ・ブーデン首相が議長を務める複数の会議で、TICADの準備に関する協議が開始されるとともに、同首相は関係省庁を始めとする関係各所に、TICAD8の成功ために尽力することを呼びかけた。次いで出席者から、(1)女性の地位向上について、良好ということだが、同じ仕事をして、男性と女性の収入の差は無いのか?(2)日本から22の会社がチュニジアに進出しているということだが、どのような分野か?(3)今後日本の民間からどのような分野への進出が望ましいと思われるか?(4)これまでの日本からの対チュニジアODAは主にどのような分野であったか?などの質問が出されました。
第4回大使を囲む懇談会開催
- 伊藤駐エチオピア大使を囲む懇談会
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第4回・伊藤駐エチオピア大使を囲む懇談会
6月14日午後、国際文化会館会議室において、伊藤恭子駐エチオピア大使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者20名、オンラインによる出席者25名)。
先ず伊藤大使より、同国の近況について、基本統計は人口が約1億1496万人で1人当たりGDPは936.3米ドル(2020年度世銀)、貿易高は輸出36.2億米ドル、輸入142.9億米ドル、対日貿易は輸出97.9億円、輸入77.9億円、輸出はコーヒー,花、油脂植物等、輸入は貨物自動車、鉄鋼製品等である。政治外交面での主な動きについては、去年4月にここで報告した後の進展について述べると、昨年6月の総選挙(5年に1度)実施、10月にアビィ首相が議会で再任され、11月にはTPLFの南下を受けてエチオピア全土に非常事態宣言が発令されたが、その後国防軍が大規模な反撃を開始し、12月にはTPLFがアムハラ州とアファール州からの撤退を発表する一方、連邦政府が国防軍に対し現状維持を指示し、実質的停戦に至り、また本年に入り非常事態宣言の解除、国民対話委員会委員の指名、TPLFのアファール州からの完全撤退発表などが主な動きであった。この間国際社会の仲裁努力も行われてきた。経済面では北部紛争によるインフラの毀損の他、経済成長見通しの不明瞭化、新型コロナウィルスの感染拡大、インフレの拡大、深刻な外貨不足等があり、さらに深刻な干ばつの発生から人道支援ニーズが拡大し、国内避難民も生まれた。またウクライナ・ロシア戦争による肥料・小麦・原油等のコストの増大もあり、インフレ高が継続している。対外債務は289億米ドルに達し、これは対GDP比26.57%であり、政府は商業借款の借り入れ停止,IMF支援の受け入れ(29億米ドルの支援を決定、ただし約17億ドル分は期限切れ)他の対策をとっている。対エチオピア投資に係る課題は、外貨不足、利益送金等の制限、外資規制(外国企業による投資範囲の限定)、税務当局の不明瞭な課税手続き等があるが、エチオピア投資委員会による支援も実行されている、等について説明がありました。
次いで出席者から、同国では電力開発の余地が大と思われるが、日本の協力で行う可能性が考えられないか?今後良い無償案件が考案されるとすると、地域、セクター、内容などはどのようなものが考えられるか?道路、病院、学校などいろいろ考えられるが?ソマリ州においてこれまで何らかの日本のODA案件が実施された例があるか?一度決定された、日本の援助によるティグライの中学校建設案件の実施が停まっているが、今後再開される見通し如何?IMFによるエチオピア支援プログラムが停まっているが、今後再開されるのか?いつまでもジブチを唯一の海への出口とするのではなく、「ラプセット回廊案件」の実現に動こうとする機運は、エチオピア政府の中に無いのか?2か月後に迫ったTICAD8へのエチオピアの態度はどのようなものか?日本のODA案件の実施を現場で手掛けてきたが、これが日本の案件であるとアピールする良い方法は無いか?ナイル川上流のルネサンス・ダムの竣工により、下流の国が得る水量が減ることへの危機感を抱いているという報道もあるが、エチオピアは本件をどのように今後するつもりなのか?ジンバブエに亡命した元大統領のメンギスツは今どうしているのか?などの質問が出されました。