
皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 気候変動についての人々の認識
- 【月刊アフリカニュースNo.85掲載】
- 資料名“Change ahead: Experience and awareness of climate change in Africa:
Policy Paper 60“
Afrobarometer、Edem E. Selormey and others、2019年8月
http://afrobarometer.org/publications/pp60-change-ahead-experience-and-awareness-climate-change-africa
・気候変動は、アフリカの開発への挑戦であり、アフリカ大陸は気候変動の結果に最も
脆弱である。
・長期的な気温と降雨量の変化は、農業が経済のバックボーンであるアフリカにとって、最大の脅威である。食糧の安全と貧困削減に大きな影響がある。
・多くの政府は、それぞれの脆弱性を農業、水資源、食糧安全確保、国民生活に見て、
その影響を減少させる政策を、経済計画に織り込んでいる。
・普通の人々の気候変動への反応として、2対1以上で、過去10年間に気候は、農業に
厳しくなった、と答えている。
・多くの国で、気候変動は、厳しい干ばつとの関連で認識されている。マラウイ、マダ
ガスカル等では、干ばつと同時に、洪水を挙げている人々も多い。
・アフリカでは、10人中6人が気候変動について、知っているかと尋ねると、知っていると答える、特に、モーリシャスでは83%、マラウイ78%、ウガンダ78%と高いが、
南アなどでは、人口の半分弱は、知らないと答えている。
・およそ2/3の 63% が、気候変動をネガティブな気候の変化と受け止めているが、
17%は、ポジティブな変化と受け止めている。
・52%が、気候変動を人間の活動によるものと受け止め、16%が、人間の活動と自然の変化
と捉え、27%が、自然の変化と受け止めている。
・およそ28%が、気候変動について良く理解しており、そのネガティブな影響と人間の
活動の結果によるもの、と認識している。
・およそ67%が、気候変動は自国に悪影響を及ぼしていると理解している。
東アフリカでは、89%に達し、北アフリカの46%をはるかに超えている。
・7人中5人の71%が、気候変動は止めなければならない、と理解し、51%が、普通の人々
も何か少し貢献できると考えている。
1/3 以下の人々は、何も貢献できないと考えている。
(ご参考)
*通貨換算URL:http://www.xe.com/ja/currencyconverter/
- アフリカの鼓動:未来の経済成長への要因、問題点
- 【月刊アフリカニュースNo.85掲載】
- 資料名 “Africa’s Pulse:An Analysis Of Issues Shaping Africa’s Economic Future”
World Bank、2019年10月
https://www.worldbank.org/en/region/afr/publication/africas-pulse Press release
https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/32480 Full text
・アフリカの経済成長率は、人口成長率より低く、2019年は2.8%が予想されているが、2015年以来、3%以下の成長である。
・期待より低い成長率は、世界的な不確定性の反映でもあるが、各国のマクロ経済の
不安定性にもよる。債務の管理、インフレ、赤字予算、政治的および行政の不確実性、
虚弱性等が要因と言える。
・3大経済の現状:ナイジェリアの2018年の成長率は1.9%、南アフリカ2018年に0.8%、
アンゴラは、不況から抜けられない。
・コンゴ(民)や、ニジェールのような資源国では、資源価格の上昇と農業生産の増加、
インフラ投資の増加により、経済成長が見られる。
・上記の3大経済を除くサブサハラ・アフリカ諸国の経済成長は、好調と言える。
しかし、非資源国の成長は、概して低い。
・債務蓄積による脆弱性は非常に高い。政府の高い債務蓄積によるところが大きい。
債務の利払いが、増大している。
- 伝統的な小売店舗を通じた成長の可能性
- 【月刊アフリカニュースNo.84掲載】
- 資料名“Routes to Growth in South Africa Through Traditional Trade”
Boston Consulting Group、Stefano Niavas、Nomava Zanazo and others
https://www.bcg.com/publications/2019/routes-growth-south-africa-through-traditional-trade.aspx
・ボストン・コンサルティング・グループの調査によると、ナイジェリア、ケニア、
南アフリカでは、欧米式の小売店舗が成功し、拡大しているが、習慣は強く、ナイ
ジェリアの小売りの97%は伝統的な小売店で取引されている。ケニアでは70%である。
・12ヶ国の調査では、多数の南ア人だけが欧米式の小売り店舗で買い物をすると言って
いる。これは、4大スーパーマーケットの店舗が、都市、都市周辺に拡大したからで
あろう。しかし、それでも30%は伝統的な小売店で買い物をしている。
・南アでは動きの速い消費者商品は、スーパーマーケットを使うことが、早く、容易に、
低コストで売り上げを伸ばす事が出来ると考えているようである。伝統的な小売店は
資金が無く、真似が出来ない、と見られている。しかし、これは間違いである。
・調査によれば、南アの会社は、1兆~1.3兆ランドの収入機会と5700万人のブランド
にこだわる人、ブランドに忠実な買い物客を逃している。
- 二分された大陸の話:不平等と闘うアフリカ
- 【月刊アフリカニュースNo.84掲載】
- 資料名“A Tale of Two Continents: Fighting Inequality in Africa”
Oxfam、9月
https://www-cdn.oxfam.org/s3fs-public/file_attachments/bp-tale-of-two-continents-fighting-inequality-africa-030919-en.pdf
・最近の高い経済成長にも関わらず、アフリカ諸国は貧困と不平等から抜け出せない。
所得格差は世界最大であり、多くの国でこの格差は拡大している。SDGsとAgenda
2063の達成の可能性は低い。多くの興味ある格差の例が示されている。
・報告書では、Oxfamの作成したReducing Inequality Index (CRI)を使ってアフリカ
諸国の所得格差を少なくする手段として、税制、社会的支出、労働権利を議論する。
・報告書は社会的、経済的不平等の源泉を植民地統治と、IMFと世銀が採択した
イニシアティブによる経済政策のレガシーに見る。
・報告書は38ページであり、読み易く編集されている。一読をお勧めするとともに、
次の疑問の解答を、考えては如何か?
1) 金持ちと貧乏人の膨大な格差にたいして各国政府はどの様に対応すべきか?
2) 各国政府は外国民間投資を求める前に自国の億万長者に投資を求めるべき?
3) 多くの資産は海外に保存されている。資金の還流を求める手段はないのか?
- 「アフリカ大陸経済統合に向けて、9版」
- 【月刊アフリカニュースNo.83掲載】
- 資料名“Assessing Regional Integration in Africa | ARIA IX 2
UNECA, 2019年7月 (291ページ)
https://www.tralac.org/documents/resources/africa/2898-assessing-regional-integration-in-africa-ix-uneca-auc-afdb-unctad-july-2019/file.html
・本報告書は、アフリカ大陸自由貿易圏設立に向けての現状と諸問題について議論を展開し、政策提言をおこなっている。
・現在52か国AUメンバーが協定に署名し、4月現在、22か国が批准している。
今後の問題点
・経済統合の幾つかの問題点を挙げるとすれば、エネルギーとインフラ開発、不安定と紛争、地域的統合(RECs)における複数および重複しているメンバーシップ。
・通貨統合が5地域的統合の中で進んでいる。
・サービス部門がGDPの大きな部分を占める現在、サービスの統合は重要である。
・現在のスキルとアフリカが必要としているスキルの乖離が、統合と開発を遅らせる。
・インフラの不足が、地域内の貿易の障害となる。
・地域的エネルギーの統合は、この分野での投資の増加をもたらすであろう。
・アフリカのガバナンス、平和、安全は大陸全体の経済圏の設立には不可欠である。
政策提言
・重要なインフラ・プロジェクトを含む経済的物理的な統合が、必要である。
・国レベル、各地域統合レベル、AUレベルにおいて良いガバナンス、平和、安全が強化されなければならない。
・報告書では、さらに細部にわたる問題点の議論と、政策提言がなされている。
- 「UNCTAD/アフリカにおける経済発展2019報告書:アフリカ域内貿易と原産地規則」
- 【月刊アフリカニュースNo.81掲載】
- 資料名“Economic Development in Africa Report 2019: Made in Africa: Rules of originfor enhanced intra-African trade”UNCTAD、6月26日
https://unctad.org/en/PublicationsLibrary/aldcafrica2019_en.pdf?user=46
【報告書の背景】
・2018年3月キガリにて、AUの44ヶ国がアフリカ大陸自由貿易圏「African ContinentalFree Trade Area(ACFTA)」の形成のための合意文書に署名した。実現すれば、13億人の市場である。また、AUのAGENDA 2063の実現に一歩近づくことにもなる。
【報告書の構成】
・第1章:アフリカ域内の貿易振興の障害と自由貿易圏における利益。
・第2章:原産地規則とアフリカ自由貿易圏、アフリカ内の特恵貿易協定と自由貿易協定の意味。
・第3章:原産地規則に関するお茶、カカオ、木綿、織物、衣類と飲料、セメント、自動車の6分野における影響。
・第4章:原産地規則が、アフリカ自由貿易圏内において果たす役割
・第5章:アフリカ域内の貿易増加と構造改革を最大にするための政策とリコメンデーション
【報告書の目的】
・アフリカ自由貿易圏の成立は、アフリカにおける貿易、工業化、地域の発展が連携することである。将来アフリカ諸国の農業や製造業は、バリュウチェーンにより結ばれ、拡大し、貿易の振興と地域の発展に結びつくことが期待されいる。
・自由貿易圏成立には、貿易政策、工業化政策が深く関わってくる。その過程で経済構造の改革が実現されよう。
・自由貿易圏成立のためには、貿易が成長と構造改革の起爆剤となることが期待され、その実現の第一歩として、現在交渉が進められている原産地規則や関税協定など法的な枠組みの重要性、問題点等が詳細に検討され、政策提言と関係者による問題点の理解を求めている。
(コメント:現在アフリカ域内の地域グループによる自由貿易圏の協定は出来ているが、その完全実施には至っていない。多くの基本的な問題が横たわっている。アフリカ自由貿易圏が容易に実現するとは考えられないが、本書における原産地規則(産品の原産地を決めるルール)を始めとする法的な枠組みの問題点の検討は、一読に値する。)




