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  • 「兵士と市民‐軍事クーデターとアフリカの民主主義刷新の必要性」
    • 【月刊アフリカニュースNo.130掲載】
    • 2020年から2022年の間にアフリカで発生したクーデター6件と未遂3件という件数は、それまでの20年間から229%増加し、SDGs及びアジェンダ2063の達成を危うくしているとして、国連開発計画(UNDP)が報告書をまとめたもの。クーデターを含む憲法違反の政権移転が起こった国(UCG)であるブルキナファソ、チャド、ギニア、マリ、スーダンの市民5,000人、及び民主主義移行国(DTS)であるガンビア、ガーナ、タンザニアの市民3,000人、計8,000人に対する調査を元にしている。要旨は以下のとおり。
      ● チャドにおけるデビイの死など直接的要因に加え、クーデターには近縁の要因がある。それは、1)サヘル地域の安全環境の悪化、2)包摂的な開発や経済機会の提供ができない政府への不信感の増大、3)民主主義の機能不全、である。
      ● さらに構造的要因として、1)独立時からの、軍の政治への介入の伝統、2)国家の脆弱性とガバナンスの弱さ、3)天然資源偏重の政策と包摂的成長の欠如、がある。
      ● UCGの市民は、クーデターに関してプラスの変化をもたらすと楽観する傾向があるが、それは長く続かない。暫定政権における包摂性の欠如は市民の不信を増大させる。DTSの市民に比べ、UCGの市民は民主主義に懐疑的であり、今は変化の時だと感じている。そしてクーデターは域内に拡大する危険がある。
      ● 今後への提案は、1)クーデター防止に開発の視点を含めること、2)表面的な民主主義というこれまでのガバナンスを改め、市民との契約を結び直すこと。
      ● ここ数年、国際社会からのガバナンスへの支援が減り、安全保障への資金が増えたが、憲法の規範や民主主義の原則を守るべきだ。そして、1)AUや地域共同体の対応メカニズムの強化、2)クーデター防止のため、憲法違反に対する措置の強化、3)暫定政権への支援における包摂性と有効性の強化、4)構造的な要因への対処(真に公正な選挙、開発志向の指導者への支援、民と軍の分離、貧困削減への支援など)が必要だ。
      ● さらに国際社会は、サヘル地域との関わりを変更する必要がある。地政学的な判断から各種の軍の派遣が集中したが、それはクーデターの根本原因に対処しないばかりか、脆弱性を増強した。ガバナンスや、市民と政府との契約関係、といった側面への新しい開発支援が必要だ。

    • “Soldiers and Citizens: Military Coups and the Need for Democratic Renewal
      in Africa”
      United Nations Development Programme、2023年7月
      Soldiers and Citizens | United Nations Development Programme (undp.org)
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