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- 「世界ジェンダーギャップ報告書」
- 【月刊アフリカニュースNo.118掲載】
-
“Global Gender Gap Report 2022”
World Economic Forum、7月
Global Gender Gap Report 2022 | 世界経済フォーラム (weforum.org)
*世界経済フォーラムが各国の男女差の状況や変化を示すために2006年から発行して
いる報告書。創刊時から対象となってきたのは102か国で、2022年版では146か国が
対象。1)経済への参加と機会、2)教育の達成、3)健康と生存、4)政治的エ
ンパワーメント、の4項目について男女格差を指標化している。
(注1):対象となるのは男女間の格差であり、「発展の程度」ではない。従って
所得レベルが低い国でも、男女の格差が少なければ高いスコアとなる。
(注2)「健康と生存」では、各国の保健水準を測る重要な指標の一つであるが、
男女差を比較できない妊産婦死亡率などは対象とならない。)
*2022年の全世界の男女差は68.1%まで埋められた(男女差がない状況は100%)。こ
のペースで進むならば、完全な男女平等を達成するのに132年かかる。これは100年
と推定された2020時点からの後退である。
*146か国の項目別の男女差の状況を見ると、健康と保健では95.8%、教育では
94.4%であるが、経済参加では60.3%、政治的エンパワーメントでは22%。初期か
ら対象となってきた102か国のトレンドを見ると、教育、経済、政治では進歩があっ
たが、保健については停滞している。
*地域による順位は、1位が北米であり、欧州、中南米、中央アジア、東アジア・大
洋州、サブサハラ・アフリカ、中東・北アフリカ、南アジアの順。
*102か国の労働市場の状況を見ると、2009年から後退し始め、2020年から特に悪化
した。その結果、2022年の差は62.9%で、過去最低となった。それにはCOVID19に
よる自宅待機期間中の家族のケアが主に女性によって担われていたことが関係して
いる。
アフリカ地域のデータ収集対象40カ国のうち、総合での上位・下位各5か国及び項目別の上位・下位3か国はそれぞれ以下のとおり
総合
上位国 ルワンダ(6)、ナミビア(8)、南ア(20)、ブルンジ(24)、モザンビーク(34)
下位国 ベニン(138)、アルジェリア(140)、マリ(141)、チャド(142)、コンゴ(民)(144)
経済
上位国 ブルンジ(2)、ケニア(6)、ボツワナ(7)
下位国 モロッコ(139)、チュニジア(140)、エジプト(142)
教育
上位国 レソト(1)、ボツワナ(22)、ナミビア(30)
下位国 ギニア(143)、コンゴ(民)(144)、チャド(145)
保健
上位国 ボツワナ、カーボベルデ、レソト、モザンビーク、モーリシャス、マラウイ、ナミビア、エスワティ二、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ(1)
下位国モロッコ(131)、マリ(133)、アルジェリア(135)
政治
上位国 ルワンダ(7)、南ア(12)、モザンビーク(14)
下位国 アルジェリア(134)、ブルキナファソ(138)、ナイジェリア(141)
注:( )内は世界順位
尚、日本は総合で116位(2021年は120位/156か国)、東アジア・大洋州地域の最下位である。項目別では経済121位、教育1位、保健63位、政治139位となっている。