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- 「分断される世界での、中国に対するアフリカの共通アプローチ」
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- 【月刊アフリカニュースNo.137掲載】
- 【月刊アフリカニュースNo.137掲載】
- “Developing a common African approach to China in a divided world”
Institute for Security Studies、Mandira Bagwandeen、2024 年 2 月
Developing a common African approach to China in a divided world
(issafrica.s3.amazonaws.com)
英国のシンクタンク EIU が、165 の国と 2 地域の民主主義の度合いを、1)選挙の過
程と多党制、2)政府の機能、3)政治参加、4)政治文化、5)市民の自由、の観点から
0 点から 10 点まで点数づけを行うもの。点数に応じ、各国の政治体制は「完全民主主
義」、「不完全民主主義」、「ハイブリッド政体」、「権威主義政体」に分類されている。2023
年版の主な論点は以下のとおり。
⚫ 完全または不完全民主主義に分類される国が 2 つ増えたものの、全世界の平均点
は 2022 年の 5.29 から 5.23 に低下し、指標作成が始まった 2006 年以来の最低値
となった。これは世界的な民主主義の後退に沿うものだ。
⚫ サブサハラ・アフリカの平均スコアは 2022 年の 4.14 から 4.04 に低下した。その
主な要因はクーデターの連続にある。特に点数を落としたのはニジェール、ガボ
ン、シエラレオネ、マリ、マダガスカル。点数を上げたのはベナン、タンザニア、
アンゴラ。民主主義政権に幻滅し、軍事政権を支持する人々がいることも事実だ。
⚫ 2024 年には 76 の国で総選挙や地方選挙が予定されており、有権者の総数は過去最
大となる。世界の 10 の人口大国の中で 8 か国が 2024 年に選挙を行う予定だが、
うち半数では自由で公正な選挙が行われていない。既に不完全民主主義にランク
が下がっている米国の大統領選挙も、更なる分断と幻滅を生む可能性がある。
⚫ ウクライナ戦争やイスラエル・ハマス戦争など、世界は紛争の時代に入ったと考え
られている。紛争による死者数は、冷戦終結後減少を続けてきたが、2010 年以降、
増加に転じている。
⚫ 民主主義国家は平和であるという説には根拠がある。第一に、有権者の合意なしに
政府が戦争開始を決断することが難しく、第二に民主的な政治文化は紛争の平和
的解決を志向し、他の民主主義国家に対しても同じ対応を求めるからだ。
⚫ しかし世界の民主主義の歴史はこの説を検証するにはまだ短か過ぎる。また民主
主義国家(特に米国)は過去に何度も非民主主義国家の紛争に介入したが、民主主
義の樹立には成功していない。民主主義国家が世界の民主主義を推進する方法は、
自国の民主主義を強化していくことにある。