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- 「食料見通し:世界食料市場に関する半期報告」
- 【月刊アフリカニュースNo.117掲載】
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“Food Outlook: Biannual Report on Global Food Markets”
Food and Agriculture Organization of the United Nations、6月
Food Outlook – Biannual Report on Global Food Markets (fao.org)
1)生産量予測
*不確実もしくは減少が見込まれる品目:小麦、雑穀(特にメイズ)、油糧作物
*増加が見込まれる品目:米、肉、砂糖、酪農製品、水産品
2)ウクライナ戦争の影響
*2016/2017年から2020/2021年にかけ、ロシアとウクライナの生産量の合計は
大麦(世界の19%)、小麦(同14%)、メイズ(同4%)。輸出量では、2021
年時点でロシアは世界第2位の、またウクライナは第6位の小麦輸出国であり、
ヒマワリ種子の輸出は両国合計で72%を占める。生産財の面では、ロシアは
肥料の大生産国であり、輸出量は窒素(世界1位)、カリウム(同2位)、
リン(同3位)。
*いくつかの国では、両国の食料への依存度が高い。アフリカに関しては、
たとえば2021年の小麦の輸入の依存度は、エリトリア(100%)、ソマリア
(90%以上)、マダガスカルとエジプト(80%以上)である。ヒマワリ種子
輸入依存度は、アルジェリア(100%)、エジプト、シエラレオネ、チュニ
ジア、コートジボワール(90%以上)、スーダン(80%以上)となっている。
*ウクライナの農業への影響は甚大。戦闘により土地、労働、投入財等への
アクセスが制限され、また輸送インフラも破壊された。さらに、国内の需要
を賄うため輸出量が減少する可能性がある。他方、ロシアの農業生産への
影響は限定的だが、制裁により輸出量が減少していることに加え、輸入に
依存する種子や農薬の確保(特にEUから)が困難となっている。